brightness_7 No.014 RECORDINGS FROM THE ALAND ISLANDS JEREMIAH CHIU & MARTA SOFIA HONER 2022 2017年、ジェレマイアとマルタのふたりは、スウェーデンとフィンランドの間にある、バルト海はオーランド諸島へと渡った。彼らの友人が、〈Hotel Svala〉という小さな宿をはじめるので、手伝いのために。クムリンゲ島。人口は300人ほどで、夏は太陽が沈まない、不思議な静寂に包まれたこの島で、ふたりは録音をため込んだ。その後、ふたりは再びこの島を訪れ、古い教会でコンサートを開く。このアルバムは、〈Kumlinge Kyrka〉でのライブ録音、ヴィオラ、モジュラーシンセ、フィールドレコーディングの断片を、ロサンゼルスに持ち帰り、コラージュしたもの。横須賀の谷戸、朝日を浴びながら縁側で鳴らす。オーランド諸島の鳥の声、響きが、横須賀の谷戸の鳥の囀り、静かさにつながっていく。12,405 kmも離れた場所が、自然と音で交わる。空間の奥深さがある。
brightness_7 No.013 But Beautiful Sam Most 1976 〈Catalyst Records〉は、1970年代西海岸に設立されたインディペンデント・ジャズレーベル。スプリングボード社という、廉価版のレコードを販売する会社が母体だ。ピッツバーグ出身のサックス奏者、パット・ブリットがプロデューサー。このレーベルのレコードが好きで、なぜか宇宙の画像をよくジャケにつかわれている。サム・モーストは一度沈んだが再び浮上してきたフルート奏者。夏の午前中、このアルバムを聴きながらミルクティーを飲んだら、とても沁みた。庭には蝉の音色が流れていた。
brightness_7 No.012 CHUCK SENRICK『Dreamin’』 CHUCK SENRICK 1976 夏のドリーム感。波際でひたすらラムのんでる感じ。サングラス、アロハシャツ。森戸海岸。夢見心地。それは極寒の地で夏の夢を夢見ているか、はてさて現実なのか。どっちだっていいのかもしれない。宇宙は広がり続けている。フェンダーローズと古いリズムマシンで作られた、ドリーミーな宅録アルバム。自主で200枚のみリリース。後の世のベッドルームピープルに受けて、Numero Groupから再発。マスト。
bedtime No.011 Quiet Kenny KENNY DORHAM 1959 夜に聴くジャズアルバムは、ビル・エヴァンスの『Moon Beams』が長らく君臨していた。鎮静剤のような、静かな音楽。ここ何日か、ケニー・ドーハムの音楽をバイト終わりの23時に聴いている。〈Prestige Records〉から、60年前にリリースされたブツ。トミー・フラナガン・トリオがバックに。明るい月夜にとても合う。浸りすぎない時間に。
bedtime No.010 When Vincent Gallo 2001 BLEACHで松本人志とヴィンセント・ギャロは似ている、というセリフがあり、なんとなく覚えていた。ヴィンセント・ギャロという人は、松本人志に似ているんだと。2年後。17の年に、地元のTSUTAYAの100円セール箱にこのアルバムがあって、なんとなく買った。物寂し気な音が、好きにはならなかったけど、心のどこかに沁みついた。10年後、どうもヴィンセント・ギャロは有名な映画監督であるらしい、という情報をつかんだ。有名な『バッファロー`66』じゃないほうの、『ブラウン・バニー』という映画を、神戸のTASUTAYAで借りて見た。全編にぼやーっとしていて、現実か夢かわからない、しかし乾いた、海際の映像が流れていて、とても好きになった。それから13年後。横須賀のワットマンで買った50年前のDiatoneのスピーカーで聴き直してみると、あの映画そのものように感じた。ええスピーカーで聴くと、ああ、こんな音だったんだ、と驚く。しかも〈Warp〉からのリリース。アブストラクト・ヒップホップの曲とかもあり。夜っつーか、途方に暮れた夕方に聴きたい。
bedtime No.009 1983 2006 神戸時代の音楽仲間。音楽が好きで、いっしょに音をつくったり、遊んだり、情報交換したり、とにかくたのしかった。セラートが流行る前で、レコードでDJをしてたから、プレイ中にかかった曲の盤をのぞきんで、話を聞けることも多かった。コミュニケーションがあった。いまでも彼らとは縁が続いている。横須賀でその仲間のうちのひとりと、2000年台のビートシーンについて振り返った。フライング・ロータスは今聴くと、「〈Low And Theory〉が立ち上がる前は、〈Warp〉から出してて、Prefuseっぽかった」と振り返った。神戸のDJの先輩が「この人、音割れてるやんな?」と話したのを思い出した。Madlibの、極端なミックスも影響している気がする。『1983』をちゃんと聴いたことがなかった。聴いてみると、発売から20周年でハイレゾのリマスターが出ていた。えっ、もうそんなに経っちゃったのか。神戸から。いまだに港町におるわい。flyloが生まれて44年。コルトレーン一族に伝わる、幻術系音像。夜。時間ってなんだろう。