bedtime No.010 When Vincent Gallo 2001 BLEACHで松本人志とヴィンセント・ギャロは似ている、というセリフがあり、なんとなく覚えていた。ヴィンセント・ギャロという人は、松本人志に似ているんだと。2年後。17の年に、地元のTSUTAYAの100円セール箱にこのアルバムがあって、なんとなく買った。物寂し気な音が、好きにはならなかったけど、心のどこかに沁みついた。10年後、どうもヴィンセント・ギャロは有名な映画監督であるらしい、という情報をつかんだ。有名な『バッファロー`66』じゃないほうの、『ブラウン・バニー』という映画を、神戸のTASUTAYAで借りて見た。全編にぼやーっとしていて、現実か夢かわからない、しかし乾いた、海際の映像が流れていて、とても好きになった。それから13年後。横須賀のワットマンで買った50年前のDiatoneのスピーカーで聴き直してみると、あの映画そのものように感じた。ええスピーカーで聴くと、ああ、こんな音だったんだ、と驚く。しかも〈Warp〉からのリリース。アブストラクト・ヒップホップの曲とかもあり。夜っつーか、途方に暮れた夕方に聴きたい。
bedtime No.009 1983 2006 神戸時代の音楽仲間。音楽が好きで、いっしょに音をつくったり、遊んだり、情報交換したり、とにかくたのしかった。セラートが流行る前で、レコードでDJをしてたから、プレイ中にかかった曲の盤をのぞきんで、話を聞けることも多かった。コミュニケーションがあった。いまでも彼らとは縁が続いている。横須賀でその仲間のうちのひとりと、2000年台のビートシーンについて振り返った。フライング・ロータスは今聴くと、「〈Low And Theory〉が立ち上がる前は、〈Warp〉から出してて、Prefuseっぽかった」と振り返った。神戸のDJの先輩が「この人、音割れてるやんな?」と話したのを思い出した。Madlibの、極端なミックスも影響している気がする。『1983』をちゃんと聴いたことがなかった。聴いてみると、発売から20周年でハイレゾのリマスターが出ていた。えっ、もうそんなに経っちゃったのか。神戸から。いまだに港町におるわい。flyloが生まれて44年。コルトレーン一族に伝わる、幻術系音像。夜。時間ってなんだろう。
bedtime No.008 Valley of Search Alan Braufman 1975 スピーカーを変えた。ハードオフのジャンクコーナーにあったDiatoneのDS-251。ゴールデンウィークにセールになると読んで、30%オフになったところを購入。しかし、30分ほど店を出たり入ったりして逡巡した。ウーファーから液漏れがあったため、シンナーでふきとった。気持ち悪くなった。ウーファーが硬化していたため、呉工業の軟化剤で柔らかくした。再び息を吹き返したスピーカーは美しく鳴る。ひさしぶりに、たぶん学生時代ぶりに1日、音楽を集中して聴いた。店のBGMとか、ながら聴きが多かった。マイルス・デイビスの『In A Silent Way』やピンク・フロイドの『Shine On You Crazy Diamond』、10分を越える長尺の作品に没頭する。フリージャズ。子供のころは部屋がせまかった。夕食を囲うリビングで、亡くなった父がセシル・テイラーなど、フリージャズをかけていてうるせえと思っていた。6時から始まるアニメを観ていたのに。あれから30年後、しっかり父と同じことをしている。大学時代の友人と話していると、フライング・ロータスええなあと振り返って聴いた。どこからどんな音が飛び出すかわからない、フリージャズからの影響を感じた。アリス・コルトレーンの遺伝子だ。フライング・ロータスの『1983』から20年経ったのか。俺は、カオスを浴び続けて、カオスを凝縮したような街、横須賀にいる。ニューヨークのロフトで実験的なジャズを演奏していたアラン・ブラウフマンの、印〈India Navigation〉からのリリース。カオティックエベレスト。
local_cafe No.007 Ese día va a llegar Agustín Pereyra Lucena 1975 枯れた音楽を聴きたい。インドネシアの珈琲をのみながら、チョコレートがかかったプレッツェルをほおばる。ほのかに塩味がきいている。いい塩梅だ。そう、塩梅がだいじ。大げさな表現や、大味な演出がどうも苦手になってきて、色の希薄な、しかし円熟した技術のある、そんな音楽を流したいと思うようになった。Agustín Pereyra Lucenaには母がいなかった。どうしようもない喪失が、淡々とした、無常観のあるタッチを生んだのだろうか。英〈Far Out Recording〉が彼の音源を再編している。2019年、つまり時代の代わり目を前に逝去。Ese día va a llegar、だれしも、その日はやってくる。
umbrella No.006 Sensational meets kouhei Sensational Meets Kouhei 2006 狂気的な夜。それは誰もが逃れられない。元Jungle Brothersのメンバーで、ローファイかつ狂気的なフロウで知られる Sensational と、大阪在住で世界的な電子音楽家である Kouhei Matsunaga(NHK’Koyxen) が、物理的な距離を超えて共鳴した作品。 Sensationalがツアーで来日した際、一日で作り上げたらしい。フリスタやんけ。アルバムをどこを切っても金太郎飴のようにノイジーで幻影的なヒップホップ曲がながれてくる。半分くらい聴けばちょうどいい。90年代からエクスペリメンタルヒップホップをリリースしていた〈WordSound Recordings〉より。
brightness_7 No.005 THE SEASON FEBB 2014 FEBBについて書いた記事が、旧Donuts.でも人気があって、ずっとアクセスが続いていた。JJJも他界して、Fla$hBackSもKid Fresinoだけになった。月日は過ぎる。「言葉はノイズ」から始まるこのアルバムは、ラッパーとして優れていたFEBBが残した偉大なアルバム。DEV LARGEもあの10年でベストのヒップホップアルバムだと言っていた。もう10年も経ったのか。RIPも込めて、聴き返そう。想いは残ってる。生きようと思う。晴れの日に散歩しながら聴きたいアルバム。