石油について vol.1 石油について vol.1 – Donuts. 石油について vol.1 ニューシティーボーイは、知ることをたのしむ。 石油について、どれくらいのことをわたしたちは知っているだろうか。 中東情勢により、私たちの生活に変化が起きようとしている。さいきんニュースでよく聞く「ナフサ」とはなんだろう?なぜ物価が上がっていくのか。僕たちの着る服にさえ、石油はかかわっている。ひとつずつ、ひもといていこう。 そもそも石油とはなんなのだろう? 石油とは、なんだろう。なぜ、地下に埋まっているのか。 恐竜の死骸が何万年も経てドロッとなったもの。と思われがちだけど、実際は数億年前に海にいたプランクトンなどの微生物の死骸だ。これを「ケロジェン起源説」という。 プランクトンは太陽の光を浴びて生きている。つまり、石油を燃やしてエネルギーを得るということは、数億年前に地球に降り注いだ太陽の光を取り出しているということになる。いま、一番有力視されている説だ。 もうひとつの、ロマンあふれる仮説 ケロジェン起源説(有機) 前述の通り、生物の死骸が地球の熱と圧力で変化したという、現代の科学で最も信憑性が高いとされる説。 無機成因説(宇宙の記憶) 別に、「無機成因説」という考え方もある。地球が誕生したときから石油はあったのではないか、というもの。土星の衛星であるタイタンには、生物がいないはずなのにメタンや炭化水素の海がある。じつにロマンあふれる考え方だ。 黒いカクテルが「仕分け」されるとき 地面から掘り起こされたばかりの石油は「原油」と呼ばれる。何千種類もの炭化水素がまざったカクテル。ドロドロしていて、採掘される場所によって、色もにおいも違ったりする。そのままでは使えないから、蒸留して石油に精製していく。その過程で、沸点の違いによっていくつかのグループに分かれる。 1. ガス 一番軽い:LPガスなど 2. ガソリン・ナフサ 次に軽い。今回の主役。 3. 灯油・軽油 飛行機やトラックの燃料 4. 重油・アスファルト 一番重い:船の燃料や道路の舗装 僕たちの部屋は、石油で満ちている 原油をガソリンにしていく上で、さいきんよく耳にするナフサも生まれる。ナフサからは資材などがつくられる。 私たちの身の回りに石油にかかわるものはたくさんある。私たちが着ている服は、ポリエステル、ナイロン、アクリルからできている。じつに、現代の服の六割以上が石油からできているのだ。 スマホケース、ゲーム機のボディ、眼鏡のレンズ、ベッドのクッションにつかわれるウレタン。石油が足りなくなれば、とうぜん、こういったモノの生産ができなくなる。 なぜ、ナフサが不足するとポテチの袋が白黒になるのか ポテチの袋はただのビニールじゃなくて、プラスチックが何層にも重なっている。その表面の印刷に、ナフサがベースの接着剤や印刷インキが必要になってくる。 印刷に色をふやすということは、その分、石油を多く使う、ということだ。 Lily’s Note 1970年代のオイルショックの時は、本当にトイレットペーパーだけでなくて、洗剤の容器のラベルからも色が消えて街中がシンプルになったんだって! イランと日本の、特別な関係の歴史 教科書でも聞いたオイルショック。一回だけでなく、幾度かあった。 1979年の第2次オイルショックの主役だったのが、イランだ。シーア派の宗教指導者ホメイニが革命を起こした。それまではアメリカと仲が良かったものの、革命をきっかけに反アメリカに転身。それが、今回のホルムズ海峡をめぐる騒動につながっている。その時もイランとイラクが戦争を起こし、原油価格は一気に跳ね上がった。 世界中がイランを非難した。ところが、日本だけは独自の友好関係を維持しようとした。日本とイランには、特別な関係の歴史があったからだ。 命をかけた航海:日章丸事件 1953年。イランは石油を自国のものにしようとしたが、大国イギリスによって海上封鎖され石油をどこにも売れずに孤立していた。 出光興産の創業者である出光佐三は、秘密裏に大型タンカー「日章丸」をイランへ派遣。神戸から出発した当初はサウジアラビア行きとされ、船員にも途中まで目的は秘密だったという。日本における石油国策という、重い任務を背負ったものだった。 日章丸はイギリス海軍の厳重な警戒をかいくぐり、見事に石油を日本へと持ち帰った。イランも石油の売り先が出来て救われた。以来、イランと日本は友好国として深い関係を持つようになったのだ。 Lily’s Note この歴史の積み重ねがあるから、今回の中東情勢の緊迫の中でも、日本に関わる船は独自の距離感で動けているんだね。まさに歴史のドラマ! むすびつくこと 室生犀星による高村光太郎の回想 『アフリカ哲学全史 』/ 河野哲也 『私はなぜ書くのか』 マルグリッド・デュラス HOME