bedtime No.011 Quiet Kenny KENNY DORHAM 1959 夜に聴くジャズアルバムは、ビル・エヴァンスの『Moon Beams』が長らく君臨していた。鎮静剤のような、静かな音楽。ここ何日か、ケニー・ドーハムの音楽をバイト終わりの23時に聴いている。〈Prestige Records〉から、60年前にリリースされたブツ。トミー・フラナガン・トリオがバックに。明るい月夜にとても合う。浸りすぎない時間に。
bedtime No.010 When Vincent Gallo 2001 BLEACHで松本人志とヴィンセント・ギャロは似ている、というセリフがあり、なんとなく覚えていた。ヴィンセント・ギャロという人は、松本人志に似ているんだと。2年後。17の年に、地元のTSUTAYAの100円セール箱にこのアルバムがあって、なんとなく買った。物寂し気な音が、好きにはならなかったけど、心のどこかに沁みついた。10年後、どうもヴィンセント・ギャロは有名な映画監督であるらしい、という情報をつかんだ。有名な『バッファロー`66』じゃないほうの、『ブラウン・バニー』という映画を、神戸のTASUTAYAで借りて見た。全編にぼやーっとしていて、現実か夢かわからない、しかし乾いた、海際の映像が流れていて、とても好きになった。それから13年後。横須賀のワットマンで買った50年前のDiatoneのスピーカーで聴き直してみると、あの映画そのものように感じた。ええスピーカーで聴くと、ああ、こんな音だったんだ、と驚く。しかも〈Warp〉からのリリース。アブストラクト・ヒップホップの曲とかもあり。夜っつーか、途方に暮れた夕方に聴きたい。
bedtime No.009 1983 2006 神戸時代の音楽仲間。音楽が好きで、いっしょに音をつくったり、遊んだり、情報交換したり、とにかくたのしかった。セラートが流行る前で、レコードでDJをしてたから、プレイ中にかかった曲の盤をのぞきんで、話を聞けることも多かった。コミュニケーションがあった。いまでも彼らとは縁が続いている。横須賀でその仲間のうちのひとりと、2000年台のビートシーンについて振り返った。フライング・ロータスは今聴くと、「〈Low And Theory〉が立ち上がる前は、〈Warp〉から出してて、Prefuseっぽかった」と振り返った。神戸のDJの先輩が「この人、音割れてるやんな?」と話したのを思い出した。Madlibの、極端なミックスも影響している気がする。『1983』をちゃんと聴いたことがなかった。聴いてみると、発売から20周年でハイレゾのリマスターが出ていた。えっ、もうそんなに経っちゃったのか。神戸から。いまだに港町におるわい。flyloが生まれて44年。コルトレーン一族に伝わる、幻術系音像。夜。時間ってなんだろう。
bedtime No.008 Valley of Search Alan Braufman 1975 スピーカーを変えた。ハードオフのジャンクコーナーにあったDiatoneのDS-251。ゴールデンウィークにセールになると読んで、30%オフになったところを購入。しかし、30分ほど店を出たり入ったりして逡巡した。ウーファーから液漏れがあったため、シンナーでふきとった。気持ち悪くなった。ウーファーが硬化していたため、呉工業の軟化剤で柔らかくした。再び息を吹き返したスピーカーは美しく鳴る。ひさしぶりに、たぶん学生時代ぶりに1日、音楽を集中して聴いた。店のBGMとか、ながら聴きが多かった。マイルス・デイビスの『In A Silent Way』やピンク・フロイドの『Shine On You Crazy Diamond』、10分を越える長尺の作品に没頭する。フリージャズ。子供のころは部屋がせまかった。夕食を囲うリビングで、亡くなった父がセシル・テイラーなど、フリージャズをかけていてうるせえと思っていた。6時から始まるアニメを観ていたのに。あれから30年後、しっかり父と同じことをしている。大学時代の友人と話していると、フライング・ロータスええなあと振り返って聴いた。どこからどんな音が飛び出すかわからない、フリージャズからの影響を感じた。アリス・コルトレーンの遺伝子だ。フライング・ロータスの『1983』から20年経ったのか。俺は、カオスを浴び続けて、カオスを凝縮したような街、横須賀にいる。ニューヨークのロフトで実験的なジャズを演奏していたアラン・ブラウフマンの、印〈India Navigation〉からのリリース。カオティックエベレスト。
bedtime No.003 La Mia Vita Violenta Blonde Redhead 1995 2026年初頭、上町の〈圏外書房〉にて、横須賀文學會のはじまりに立ち会った。會長の光さんは、ゼロのメタファーとして剃髪の儀を執り行う。やすきはバリカンで頭を剃るのを手伝った。初めてのことだった。光さんが持ってきた「至」という日本酒を飲みながら、音楽談義をした。光さんがおススメのインディーロックバンドで、日本人女性と双子のイタリア人兄弟によるバンド。〈Numero Group〉からの再発。ジャズっぽい不協和音。キーキー叫んでる。狂おしい夜に。