横須賀で新しい経済圏がうまれようとしている。

その端を切る出来事があった。

2026年6月26日、日曜日。

横須賀市、佐野町。鍼灸師のめいさんが主催するシェアキッチン〈Tonari〉にて、ラジオねししのメンバーをはじめとする面々で、マルシェを開催した。

〈Hachis〉での『天空のマルシェ』、〈KotodamA〉でのマルシェにつづき、3回目の三回目の開催。

浦賀にある〈酒と宿と不動産〉にて行われた異業種交流会がきっかけだった。

「横須賀で行われているマルシェは、集客のできる人気店に固定されていて、参加できない」という声があった。じゃあ、手前らでやってみましょう、と試みる。

みんな知名度もついてきて、マルシェに参加できるようになった。以降も、自分たちが楽しむ、ということをたいせつに、ちいさな規模のマルシェを開催をつづけている。

やすきは、めいさんとマルシェの面々がつながっていうほしい、という想いから、〈nico pan〉を中心に企画を進めた。参加はしてないが、SNS用の告知に〈心動デザイン〉のゆってぃがフライヤーを作成し、告知を手伝ってくれた。

出会いとグルーヴ

佐野町。上町から衣笠駅までつづく長い通り。昔からの酒屋さん、和菓子屋さんが店をつづけている。横須賀駅から長井、三崎まで行き着くバスが走っている。車がひっきりなしに通る。何回、ここを通っただろう。

当日。やすきはここ最近取り組んでいるグリーンカレーに、豚の尾を入れた。

のんちゃんがつくったヴィナグレッチもコラボ。のんちゃんは先月にあった観音崎でのBBQでいっしょになり、コラボが決まった。ヴィナグレッチはブラジルの郷土料理だ。のんちゃんは川崎市鶴見区出身。鶴見はブラジル人が多いので、慣れ親しんだ味らしい。現地で使われるお酢をつかい、カレーの付け合わせとしてコラボ。

11:00スタート。Tonariで営業されているマサさんが来られたり、やすきが通りがかりの人に話しかけてお客さんを引き入れたりして、満席になる。厨房には4~5人が入り乱れ、オペレーションが大変だったが、声をかけあって乗り切れた。

うまく混ざり合って、さまざまな出会いや会話が、グルーヴがうまれていく。

参加店のひとつ、〈TONARIのまりちゃん〉は金土の夜に〈TONARI〉で営業をしている。沖縄出身で、横須賀に移住してきた。彼女のルーツである沖縄料理を出している。

横須賀にも沖縄料理を出している店はいくつかある。やすきも岡山の米や津山の干し肉を出していたので、異郷の地で地元の文化を紹介する大切さをよく知っている。

また、横須賀は様々な文化を受け入れる懐の広さがある。カオスにミックスして、あたらしい文化が生まれていく。出店者同士の交流もあった。まりちゃんとメヘンディ―アートのまきさんが知り合いを通じてつながっていた。〈TONARI〉によく来るお客さんとの交流も生まれていた。

前々日に、〈nico.pan〉からの提案でカレーとパンのコラボをしようとなった。〈KotodamA〉もビーフジャーキーとシーリングの予定だったが、やすきが伝えたレシピを基にしたスパイスカレーを出すことになった。

アイデアが出て、動きが流動的になるから、おもしろい。ゆるいし。ゆるいけど、みんなお客さんがきたら真剣になる、というメリハリのよさ。

いままでに開催したり、参加したイベントは集客数によって成功の可否を決めていた。しかし、今日のイベントはちがう。出店者がいかに楽しめるか。みんな笑顔で、楽しそうだった。喜びのエネルギーが満ち溢れる。来てくれたお客さんにも伝わっているし、佐野町の地域にも伝播しただろう。近々、オープンする〈うぐいす邸〉のオーナーもきてくださった。

やすきは初めて会ったが、〈MAIJI〉さんとの出会いもよかった。Seacloud.というレーベルをはじめてものづくりをしようと考えている。手作りのアクセサリーを、カッティングシートなどを利用しながらつくっている。参考になった。

〈nico.pan〉とのコラボもよかった。Hachisの常連さんも、異種格闘戦でいつもと違う感覚に、喜んでくれただろう。

まりちゃんが「大きくある必要はないですね」。と言ってくれた。その言葉が、深くのこっている。

なにも集客数だけではない。個性と個性があつまり、グルーヴが生まれる。新しい出会いとアイデアがうまれ、各々の毎日に活かされる。仲間もふえていく。

その流れが大事なのだろう。

今回のマルシェでは、固定の店舗をもっている参加者が少なかった。今後の時代は、シェアや、固定ではなはないなにか、あるいは、複数の仕事の川をもつ、ということが鍵となってくる。

横須賀はカオティックで、つぎつぎに行動が生まれていく。なにかはじめたら、何か変わっていく。どんなちいさなことでも。