湘南移住記 第235話 『黄金の礎』

5月1日から5月11日まで、休みなしで連続で営業することにした。同じ横須賀のカレー屋、〈あの音〉さんがその日程で営業する、というインスタの投稿を見たからだ。

4月後半のゴールデンウィークから、遠方のお客さんがhatisを訪れていた。横須賀の店がどこも一杯なのでhatisに来た、という東京のカップルもいた。幸運にも、そのカップルはしんじさんのオートハープを聴いて、使い方を教わるという、稀有な経験をしていた。普通にドブ板を観光するより、深く横須賀を味わえたのではないだろうか。

いい結果に終わった〈マグフェス〉の勢いも借りて、このまま行こうと決めた。店の一本化まで、大きな前進になる。

地道

ところが、蓋を開けてみると静かなゴールデンウィークだった。むしろ平常の土日のほうが入りが多いくらい。売り上げで言うと、15食〜17食をずっと推移。5月1日は雨で全然ダメ。あと途中のどこかで、10食の日があった。

お酒は割と出るようになったので、そこは助かっている。

あるお客さんに言われたが、売上を目標にしたからかもしれない。やすきはお金を目標にすると弱くなる。イベントもそうなのだが、利益の優先度が高くなるとやる気をなくす。心の線が細くなってしまう。

立ち返ると、毎日、店を開け続けれること自体が幸せなことだ。それを忘れてはいけない。アルバイトも3週間はしないことになる。一年前と比べても、前進している。

他の横須賀〜三浦のお店さんはどこも繁盛していたらしい。青い隣の芝生を見ていてもしょうがない。

それでも、タイミーのバイト代の1日〜1.5日分の利益は出せるから、続けることはできる。

それもこれも、支えてくれる皆さんのおかげです。いつもありがとう。

新規のお客さんの流れが戻ってきた。ゴールデンウィークは、小田原や東京など、普段は横須賀に訪れない方。三崎、葉山の木古庭など、近くの方。市内の方。市内の方は、上町など、近隣の人がわりかし多かったかなあ。

hatisファミリーもよく支えてくれた。hatisファミリーのいいところは、新規のお客さんと同席になっても、我が物顔をしないで、一緒に空間を楽しんでくれるところ。常連さんが強いお店は新規の方は入りづらいものだが、そうならないところが懐の深さだ。

していくだろう?hatis AOは、もうやすきのものだけではない。店主としてこの場を守って、さらによくしていかなけらばいけない。地域活動も、ここから発展

改善

ご指摘もあって、改善点も見えてきた。

1、看板をわかりやすくお洒落に作り直す。2、メニュー構成を作り直してスタイルをはっきりさせる。3、雨の日は休日だろうがどうしようもないので、テイクアウトなど補填案を作らなければいけない。

1は横浜駅の〈Standart〉で見つけた太陽光充電式のライトも含む。夜営業に新規のお客さんが来るようになったから、明るくしてわかりやすくしておかなければいけない。

2のメニューに関しては、800円のメニューを作る。レモンライスという南インドの料理。20代〜30代の層が弱いので、客単価を平日のみ落とす。SNSで公開せずに少しやってみたけど、オペレーションが大変になる。週末はできない。メインはスパイスカレー で、あくまでサブ。若い人たちを呼び寄せるため。

お酒がわりかし出ているので、常に持っておける惣菜がいくつか必要。好評だったキムチとハツの胡麻油アチャール、レバーのっピックルあたりがいいだろう。クラフトジンを強化して、スパイスカレーとのペアリングを完成させる。スパイス飲みは浸透していないので、積極的なSNS発信が必要。

どちらにしろ、hatisのスタイルをもう少し固める必要がある。そうすると、リピート率が高まるはず。

掃除は、平日のノーゲストの時間を利用できるようになってきた。その時間を休憩に回さず、マメにやったほうがいい。庭の草刈りもやらなきゃだなあ。玄関の門をくぐって、異界感を出したい。

11日が終わったら、DIY日を作る。漆喰を塗るのと、屋根の修理。縁側の天井のシートを剥がしたいのだが、白布を張った方が早いかもしれない。

ゴールデンウィークが明けてから、このペースを上回っていけば、一本化に近く。珈琲の自家焙煎も復活させる。次は週五フル営業。6月は梅雨なので集客が減るか。夏までに空調設置のクラウドファンディングをする。

もう少し、長い目で見て、計画的な改善を進める。勢いまかせじゃなくて、地道にひとつずつ。やりながら、修正修正。