新しい時代のシティボーイは、東京の真ん中にはいない。 なにもない(とされている)ローカルの静けさの中に潜んでいる。 そこには、すでに誰かがお膳立てしてくれた完璧な舞台なんてない。 だからこそ、ぼくたちは始める。 ちいさくても、歪でも、自分の手で、DIYで、ゼロから世界をつくっていく。
最初はなにもわからない。失敗を何度もくりかえす。 だけど、泥にまみれながら構造を理解していったとき、 そこには世界にひとつだけの、いっぱしの本物ができあがっていく。 ご飯も、服も、住む場所も、店も、音も、イベントも。 人間が生きていく上で、絶対に手放してはならない大切な文化を、ぼくたちは誰かに委ねない。 すべてを自分たちの手で「つくる」。 そのプロセスそのものを、狂おしいほどにたのしむ。 つくることのよろこび。それこそが、ぼくたちの人生のすべてだ。
ニュー・シティボーイは、ひとつの場所に縛られない。 生まれ育った地元でなくたっていい。ぼくたちは、風のように境界線を溶かしていく。 空間の「地野菜」を使い、いつかは土に触れ、自ら野菜をもつくる。 料理をDIYすることは、生きることの根底にある「発酵」を五感で知ることだ。 土地の記憶と、自分の美学を混ぜ合わせ、時間をかけて発酵させ、他者へとつないでいく。
ニュー・シティボーイに、性別はない。 男性でも、女性でも、あるいはそのどちらでもなくとも。 自分の人生を、自分の美学でDIYしようとするすべての意志は、 だれしもが「ニュー・シティボーイ」だ。 ぼくたちは、他人が決めた古い記号や属性を、この場所から脱ぎ捨てる。
ぼくたちは、アナログの摩擦を愛している。 同時に、この新しい時代の技術(AI)だって、スマートに使いこなす。 だけど、絶対に「効率」や「最短距離」の奴隷にはならない。 非効率で、遠回り。それでいい。 そこにしか存在しないザラついた手触り。今、その空間に「ある」ということ。 そのグラデーションそのものを、ぼくたちはどこまでも深く、愛おしく、たのしむんだ。