Good Books Review vol.1 「自助論 / サミュエルズ」

ブック・レビューの最初が自己啓発本というのもどうかと思うが、目についたのでこの本から学んでみる。サッカー日本代表、本田圭佑選手が自身の転換期において挙げた重要な一冊。読んでみると、ああ本田圭佑選手らしいな、と思わせる節がたくさんあります。人間は考え方で出来ている。行動に及ぼす考え方は木で言うと根にあたるもの。太い幹ができるか枯れてしまうかはしっかり地面に根を張れているかによる。

読書によって作られた本田圭佑

最近よく、本田圭佑選手は「本田圭佑は・・・」とか「だから本田圭佑なんですよ」と、自身を客観視しているところがある。本田圭佑というキャラクターが独立していて、世間に与える影響を知っているから、そう振る舞っているんだろうな、とも感じる。彼はとても優しくて、人にいい影響を与えようとし続けているのだと思う。近頃の教育事業、東南アジアへのスクール進出。「貧困層をなくしたい」という理念はとても高邁なもので、メディアはもっと取り上げてもいいのではないか。

なぜ本田圭佑選手はこの人格になったのか。

思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。行動に気をつけなさい、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。

よくこの手の記事でみかけるマザーテレサの名言。要するに思考が習慣になり、習慣から人格が作られ、運命になるということ。普段考える思考がいかに人生に影響を及ぼすかは、あまり人は考えません。なんでやろ。そんな暇ないからかな。しかし、それはあまりよくない。

本田圭佑はサッカー選手として才能が抜きん出ている訳ではない。現にガンバ大阪ユース時代は家長選手などの競合に負け、星稜高校へ進学している。育ててくれたおばーちゃんからもサッカーあきらめたらどうやと言われたという。それでもなぜサッカーを続けたのか。自活をしなければならなかったから。それは、彼の両親が早くに離婚していたから、自分でやっていかなければならないという状況が作用してらからなのだろう。成功しているの多くは片親だったり両親がいなかったり、愛情にどこか欠落している。仮に、円満な家庭で本田圭佑が育ったしても、ここまでの人物にはならなかっただろう。

早々の負け戦が彼を変えることになる。思えば本田圭佑は負け戦の連続だった。世界一になることを公言したブラジルワールドカップではリーグ戦敗退。夢が叶い、ACミランの10番になっても結果を残せずパチューカに移籍した。インタビューでは、「努力が報われることはない。自分がそう」とまで発言している。ここまで目に見えて努力した人間がこう結論つけるなんで・・・、正直、見ているこちらがつらい。でも、その中で彼は別の結論に達した。

成功にとらわれるな。成長にとらわれろ。

Twitterで炎上した後に発言したツイート。人はとにかく目に見える結果を重視する。学校のテスト、営業成績、年収。数字がすべて。ある意味正しい。じゃないと自己満足になっちゃうから。

と同時に、人格的な成長というのは数字で測ることはできない。へたしたら自分でしかわからないものだから。何年か前の自分と比べて今の自分はどうだろう。失敗を経てわかったこともたくさんあるかもしれない。人目からしたらあの人はうまくいってないことだらけだろうな、と思われていても自分の中で何かかわったかもしれない。それでいいのではないかなと思う。

成果を求める努力というのは、恋愛でいうと見返りを求めた愛情だ。努力をする。自分が情熱を注げるものに時間を割く。仕事ひとつとっても、完遂しようと努力する。その時点で努力ではない。仕事はやらなきゃいけないことだから。努力していればいつか報われるというのは、結果という見返りを求めている。ところが、結果を出せる人と出せない人がいる。お金や地位のためにするのではもったいない。得た経験はなにものにも代え難い。さんまも「結果を求めず努力する人がステキ」と言うてはります。これは結果を求める危険性のことも含んでいると思われる。

念願は人格を決定す、継続は力なり

そろそろ自助論の話にしましょうか。ざっくり言うと、規則正しく生活をして仕事いっぱいやって勤勉に暮らせと。ページを割いて説得されます。これを実践できるかできないか。はある一つの事柄にかかっている。

目的を見つけること。

人間は、読んだ本の冊数で賢くなるのではない。勉強法が自分の追求する目的に適しているか、一心不乱に勉強に取り組んでいるか、勤勉が習慣になっているか、が問われているのである。

知識の量より、知識を得る得る目的のほうがはるかに重要な問題である。

目的。私たちは持っているだろうか?Youtubeでやっているブックオフの速読のCMみたいに、ただ速く多く読書をすることがいいことは限らない。人間は目的があって行動にうつす。それがはっきりしていないと意味がない。本田圭佑は努力についてこう語っている。

努力が人よりも続けられる人は必ず成功する。

そして努力の方法が分かってる人は大きく成功できる。

理由は簡単で、ほとんどの人が努力を続けられへんから。

そして努力を続けられへんのは、目的がないか、目的を見失ってるから。

つまり、努力し続けられる方法とは、目的を見つけるということ。目的を見つけるためには、想い、念願をはっきりさせるということ。私たちは目的を見いだされるように育てられていない。なのでほぼ大半の人は人生の目的を見つけられず、生活に追われている。

本書の最後の章では人格について触れ、。人格は一生通用する人生の宝だ!と論じている。念願、つまり目的が人格を決定する。そして努力の継続が力になる。これは私の母校の標語で、どうも心に残っている言葉です。まず目的を見つけよう。

Good  Books Review では、良書を通して、私が得た学びをアウトプットしていきます。私の目的は、人生のベストを尽くすこと、ビジネスを通して、一人一人が自分の考えた生き方、働き方を実践していくにはどうしたらいいか。実践を含めて、皆様にお伝えできればいいと思います。