物件から創る地域リノベーション

ピエール瀧が音楽雑誌のインタビューにて、「日本は地方が90%。だから地方がリアル」と発言していました。東京にすんでると格上になる思考は一体なんなんでしょう。地方は地方の人でなんにもないから….と自虐的だし。名古屋の人が、名古屋にはなんにもないからと言ってるのを聞いてたまげたことがあります。めちゃくちゃいろんなことがあるやんけと。そもそもなんにもないことがそんなにいけないのか。今やネットで情報もモノも手に入りますから、昔ほどマイナス面はないはずです。ガソリンスタンドもない自治体になるとたいへんですが。「なんでもある」をジマンにしてるとよくないと思う。そういう価値観から成熟していく必要があると思います。

この本はらいおん建築事務所の嶋田洋平による、地元である北九州の小倉と東京の雑司ヶ谷をリノベーションしていく過程を綴った本。建築士なので、空き家に魅力的な物件を作り、クリエイターを集い、人を定着させるという方法を採っています。不動産のオーナーから物件を預かり、リノベーションする。家賃を安くして人に入ってもらい安くする。一人一人入っていって、動きが連動していく。

ここに私が好きで見ている東京R不動産の人も関わってきます。東京のユニークな物件をピックアップするこのサイト。建築が街を創ることを教えてくれます。

人がくるには箱がいる。箱の中で何をするかは入ってくる人に任せる。見方を変えれば、空き家が多い、シャッター街は可能性を秘めた場所なのかもしれない。そこに新しい人が入ってきて、何か産まれる可能性が常にありますからね。大事なのは、その点が線になって街として連動すること。人と人のつながりをたくさん創ることが大事だ。