湘南移住記 第124話 「たちどまってみると」

昨夜、深夜1時ごろ。突然、町内放送がけたたましく鳴った。ドキッとして起きる。津波警報のアナウンスだった。

テレビがないので、Twitterで状況を確認した。トンガという国で噴火が起き、その影響で日本の太平洋沿岸地域に津波が押し寄せる恐れがある、ということだった。

YouTubeに宇宙衛星からの噴火の映像がアップされていた。ついでに、Y24時間リアルタイム放送をしている三浦海岸の映像を確認したが、海に変わった様子はなかった。チャットには人が集まり、何百人か視聴していた。

そのあとも3回ほどiPhoneの警報アラームが鳴り続けてうるさいので切った。

海街のならわし

神奈川は、驚くほど警報が出る。漁師町の三崎はよく波浪警報が出ていて、横須賀と同じく町内放送がよく鳴っていた。鎌倉も、午後4時半になると子供たちは早く家に帰りましょうと放送される。

津山にそのようなことはない。もちろん、神戸も。これは海街ならではの習慣であろうと考えた。生活が海の災害と共にあるので、隣人同士で助け合わないといけない。

だから、横須賀や三浦の人たちは優しい。よく声をかけてくれるし、人間関係に対する姿勢がオープンだ。昔からの習慣が現代にも根付いている。

対して、岡山は災害が少ない。人を助け合う習慣がない。だからクローズで、冷たいところがある。全体的な兆候で、私に関わった人は暖かい人が多かった。

神戸は、サラッとしていたかな。人付き合いが都会的だった。みんなあんまりベタベタしていない。

さがしもの

土曜日は葉山に行き、日曜日は横須賀で厨房器具を探した。目的は、珈琲の焙煎に使う鋳物のコンロ。カセットコンロでやってみたが火力が足りなく、深めの焙煎はできるが浅煎りができない。豆の水分を飛ばすのに時間がかかり、どうしても2ハゼまでいってしまう。

若松町のホームズに行ったが、鋳物コンロは品切れとのことだった。横須賀の中心部にはホームセンターがなぜがここしかない。4分の1の人口の津山には3,4件はあるのだが。なぜだろう。

セカンドストリートやピックスなど中古屋さんを回ったが見つからなかった。だが、スパイスカレーを仕込むのに必要な寸胴や、調理器具の検討がついた。

皿はこだわりたくて、陶作家さんに頼みたい。津山であれば堂下さんか森下さんか。費用はかかってしまうが、皿に器を育ててもらえる。料理という表現でも大事な部分だ。

上町の金物屋さんに寄ると、二重の鋳物コンロが10,000円で見つかった。ネットでは6000円であるが、どうするか。Amazonはあんまり宛にならんからなあ。

この金物屋さんは品揃えがいい。琺瑯の珈琲ポッドが置いてあった。次は、珈琲考具か、銅の珈琲ポットを使おうと考えている。こちらに来て、美味いネルドリップの店はなぜかみんな銅のポットだったからだ。だがこの店のご主人によると、銅は手入れが大変らしい。

帰って、床のニス塗りの作業をやる。昨日の騒ぎで寝れてないので、ほどほどにした。こういうことは毎日すこしずつ進めた方がいい。

ふりかえる

なぜ女将と連絡がとれなかったのか考えた。猫のことで喧嘩になって言われたのが、女将のことが見れてないんじゃないか。女将は私の写鏡のような存在だったので、つまりは、自分を見失ってたということ。振り返ると、去年はずっと焦っていた。

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この日誌は自分の感情の整理につけ始めた。遺産相続から、怒りをベースに行動し始め、結果としてアストラッドの命と女将の信頼を失った。

どこかで立ち止まるか、移住のタイミングを遅らせばこういうことにはならなかった。

焦ってはいけなかった。これでいいか自問するタイミングはあった。急ぎすぎると、年末の逆流性胃炎が出るなど、体の異変もでてくる。

店の準備のための貯蓄もできつつあるし、横須賀での生活のペースも掴めつつあるから、落ち着いて周りを見渡すことにする。

感情を切り離して冷静に考えることも必要だ。怒りに振り回されると判断力を失う。取り返しのつかないことになる。怒りをコントロールする。

水星逆行期間なので、湘南移住記と、いままでを振り返って検証してみる。

2月に営業許可が取れたとしても、オミクロン株の蔓延で営業できないかもしれない。長いスパンで考えると、販売に力を入れたほうがよく、個人事業主ではなく、合同会社を設立した方がいいのではないか。