湘南移住記 第116話 「取り越し苦労」

土曜日。北久里浜駅の病院へ。10時30分に胃カメラの予約。前日は夜9時以降、ご飯を食べないでくださいと指示された。ブロッコリーとキノコの汁ビーフンのみにし、朝食は抜く。ビーフは1袋250円で5食もとれる。米からできているので、体にもいいだろう。

未来食

最近、『未来食』という本を参考にしている。日本人の元来の食生活に興味を持っていたが、この本にはよく記してあった。

戦後以降、西欧に改変された生活習慣を、日本人が受け継いできた歴史に還ることこそ未来だということだ。

日本人の食生活は、ヴィーガン思想に近いのではないか。肉食はほとんどないし、卵も食べなかった。酪農はないので牛乳も飲まない。動物性タンパク質でよく摂られていたのは魚だろう。

玄米菜食こそベーシックだと私は考えていた。だが、この本によると、穀物を摂ることが重要と書いてある。

日本は米が主食だというイメージだが、実際は穀物を中心に食べていたらしい。戦前、日本の山間部でよく見られた習慣だ。

肉を減らすと

倹約で、肉は減らした。するとお金が減らない。先週、スパイスカレーを作ろうと思って、横須賀中央駅地下のスーパーでブラジル産鳥モモ肉をひさしぶりに買った。

560円で3枚入っていた。3日連続で唐揚げにした。すると体調が悪くなった。

尾籠な話だが、肉を食べると便が臭う。Port Art Designに勤めていた時、主婦の同僚に、「赤ちゃんは肉を食べさすと臭くなる」と聞いたのを思い出した。白人の体臭は肉食中心の食生活からきていると私はにらんでいる。

誠意

朝イチに横須賀市役所前にある郵便局へ。転居届の提出。先週、三浦に住んでいた物件の大家さんから、郵便物を処分して欲しいと連絡があった。

転送届を出し忘れていたので、先週に三崎の物件へ行ったが、既に処分された後だった。大家さんに連絡しても返信が帰ってこない。しかも、返してくれるはずの敷金もまだ振り込まれてない。

自分もいい加減なほうだが、世の中でキチっとしてる風に見せている人たちでも、メリットにならなければ行動もおろそかにねるという、めっちゃええ加減な人が多い。中身の誠実さがない。だから、通り一辺倒の身なりや言葉遣い、社会的立ち位置で判断するのではなく、その人の奥の方の人格で見た方がいい。役所関係には対応がおざなりな人が多すぎる。

横須賀、浦安町の風景

胃カメラ

1年前、父親が食道癌で亡くなったあと、私も胃が痛くなった。もしかして…という想いがよぎって胃カメラを受けたが、逆流性胃炎だった。取り越し苦労をした。

ただ、その時の喉から胃カメラを流し込まれるのがあまりにも苦しかった。他に方法はないかと調べた。鼻からカメラを入れる内視鏡検査が苦しくないとあったので、その検査をしてくれる病院を選んだ。

ベットに寝かされ、鼻と喉に麻酔をされた。ディスコのように光るチューブ状の機械をそのまま鼻に通される。予想よりはるかに大きい。まず左の鼻から通されたが、苦しくて体が跳ねた。次は右の鼻に通される。熟練の看護婦さんに押さえつけられ、通った。検査というか、拷問に近い。戦争で捕虜になったらこういうことをされるのだろうかと想像した。

鼻に入り、喉を通過したときえづいたが、我慢した。検査自体は短かったが、やはり苦しい。

検査後、別室で胃の様子を見せられる。先生が難しい顔をしていたので、一瞬腹を括ったが、ただの胃炎だった。

安心した。本当に良かった。この1週間、生きた心地がしなかった。

心配してくれていた女将と母に連絡をした。近くの〈ニボシクラフト〉という人気のラーメン屋へ行き、自分へのご褒美にくれてやった。横浜の〈ノ貫〉のような煮干プレッソではなく、爽快な美味さ。もう一味欲しい。

〈ニボシクラフト〉の煮干しそば 800円