湘南移住記 第258話 『やすきのルーティン』

前回の日誌が固くなってしまったので、今回は一日のルーティンについて、出来立てのプリンのようにやわらかく書いていこう。やすきは一体、1日をどうたのしんでいるのだろうか。

起床は大概、朝6時ごろ。つかれていたら、朝7〜8時に起きることもある。8時を過ぎると、朝の準備が切羽詰まってしまう。

朝のコースは決まっていて、まず不入斗の〈御嶽神社〉に参る。灯織さんのポストで知った、強いパワースポット。参ると、高確率で予約がはいる。5月から、毎日に行くようになった。

柏木田のお稲荷さんと、氏神様である〈安浦神社〉、上町の〈池之端弁財天〉さんも参拝する。参拝には重ねがけの効果があるようで、神社は参れば参るほどいい。喜捨のち、一礼二拍手一礼。

〈安浦神社〉を掃除しているおじいちゃんに話を聞いた。神社にお祈りすると、事故に遭わなくるし、なくしものも見つかる、という。みなさんもぜひ。

買い出し

お参りを終えると、買い出しがはじまる。場所は、平成町の〈西友〉、〈SANWA〉、〈AVE〉、〈業務スーパー〉のいずれか。お肉は安浦の〈藤屋〉さんへ。同業ぽい人をちらほら見かける。何を買っているかを観察することもある。

朝8時ごろに着いて、1時間ほどうみかぜ公園でボーっとする。この時間が案外たいせつだ。遅く起きてここを端折ると、オープンまでバタついて、1日の終わりの印象と、疲れの度合いが変わる。

釣り人に囲まれながら、ベンチに座って空と海、猿島を眺める。海、空、猿島、溶けるような青。頭を真っ白にして見ている時もあれば、今日の段取りとか、これからどうするか、思案していることもある。頭を空白にすると、記憶が整理される。

朝の買い出しが1番しんどい。歩きなので、荷物が重いと大変。

買い出しの楽しみ。スーパーの朝イチの並びから、オープンと共に半額コーナーに走るツワモノたちに紛れること。特にいいのは〈SANWA〉。半額コーナーに熱狂するのは年配の方たちで、ほぼ戦争というか、ものすごい熱とスピードで半額商品をディグる。眉根を顰め、前日からの聖遺物を見定める。蕎麦、漬物、練り物、チルド焼売。その熱を共有する。モッシュピットのようなものだ。

近所の人たちや馴染みのお店さんと挨拶をする。たった一言交わしただけでも朝から気分がいい。地域に根付いた実感がある。

店に帰ると、だいたい10:00。仕込みの開始。時間のかかる玉ねぎの火入れとご飯をしかけて、小休憩をかねてSNSの告知。

12:00までに準備して、オープン。

平日は、オープンからクローズまでお客さんがぽつぽつきてくれたらいいパターン。

週末は、ランチにガーッときたら良。

営業が終了したら、毎日はあるわけではないが、夜の買い出し、仕込み。上町でスパイスを買うか、横須賀中央のモアーズまで出る。週末なら〈圏外書房〉に寄り、街の情報を聞いたりする。

買い出しがなければ、ランニング。あるいはサウナ。スニーカーが壊れてランニングはできていなかったが、靴を注文して再開した。脳に血が巡って考えがポジティブになるし、眠れる。

1日が終わり、布団にはいるときが嬉しい。読書をするか、スマホをみてだらだらして、寝る。だいたい寝落ちしているのだが、やりすぎると12時前になってしまうのでコントロールが必要。

週6営業を乗り切るためにはルーティンをしっかりしないといけない、という結論に達した。行動範囲は決まっていて、判を押したような生活だけど、そこに無限の自由があり、店を開ける喜びがある。

大きく変わったのは、めいさんにアドバイスされ、お酒と珈琲を控えたこと。お酒が好きだけど、体に合っていない。飲んだら飲んだで、次の日の行動に差し支える。飲みが楽しみでなくなって、しっかり1日を過ごせるかに重点を置くようになってきた。

この間、準備が足らなかったな、という日があって、そういうときに限ってお客さんがよく来る。後悔しないようにする。

寝る前は瞑想して、布団に入って、今日きてくれたお客さんの1組1組、hatis、横須賀、両親やら先祖に感謝して寝る。

判を切ったような繰り返しの日々に、奇妙な縁の重なりや、向上がある。hatisはおもしろいなあと、今でも感じている。

疲れが溜まりやすいので、全体的な目標として、売上を上げて、人を雇えるとこまではもっていく。