湘南移住記 第254話 『達成、からの』

hatisを一本化してから3ヶ月。

ギリギリだけど、なんとかやってこれた。

この仕事が成立した。それもこれも、みなさんのおかげです。日々、支えてくれてありがとうございます。やりたいことで生活していく、その目標を達成できた。

とはいっても、生活が豊かにわけでもない。むしろ生活レベルを落としたから、成り立っている。買いたいものも買えないし、外食もそうそうできない。時間も限られているから、行きたいところにもいけない。それよりも、やらなければいけないことだらけ。

しかし、店を開け続けれる喜びに勝るものありません。もっとはやくこの決断をすればよかった。遅まきながら、hatisでの暮らしを堪能している。

新しくできた常連さんに、「地獄を見てきた目だ」と言われた。店を開いてからの2年は、とてつもなく苦しかった。ほとんど休みなしでバイト、店の往復して、それでも暮らしが楽になるわけではない。もし正社員で同じ時間を働いていれば、もっと裕福になれていただろう。

高層ビルのような高さの船で掃除、解体で屋根にも登らされたし、うだるような暑さの中、トータル300段はあろうかという汐入の家の引越しもした。いまとはなっては、実を結んだので、いい経験。

社会に、自力で基盤をつくった。その下には、這いずり回った日々があり、みなさんの応援がある。

横須賀で交易業を営む社長に「いつかこの経験が役に立つ」と言われたが、ようやくその意味がわかってきた気がする。

最初は、やり方が無茶苦茶だとか、趣味でしょとか、場所が悪いだの、散々言われたが、ここでしかできないことがある、という信念を貫いた。

ほんまお前ら大概にせえよ無責任にモノ言いやがって、とやすきは全員の顔を覚えていて、一本化できた暁には、そういうことを言った人たちに全員、焼肉を奢ってもらおうと考えていた。

だけども、結局はそういうことの数十倍の応援があった。人に恵まれていた。やすきが傷つくようなことを言った本人たちも忘れてるだろうし、人間ってそんなもんだろう。

やすきもストレスを抱えたくないし、次にやることが多いので、逐一忘れていくことにする。自分は、言葉を選ばない、無神経な人間にはならないようにするだけ。学びは必要だが、過去にこだわっていてもええことない。

これから

盤石になったわけではない。常連さんはふえて、先月は平日は最高記録が出た。週末くらい売上があがる日も出た。ただ、まだまだ安定はしていない。2,3人で終わる日もざらにある。ジェットコースターのように、売上は上下していく。

経営を安定させるためにも、変化を続ける。

ランチ以降の動きが弱い。夜は、また人がまばらになってしまった。15〜18時までのカフェタイム、夜のディナーの集客。カレー以外の利用をふやすためにメニューを増加させる。

週6営業にして、横須賀市内で訪れてくれる人が復活した。開け続けていると、街が認知してくれる。平成町に買い出しに行くと、頑張ってますね、と話しかけられた。

統計上では、横須賀は人口が減少し続けているが、肌感で、移住の人は増えている。近頃は、仕事で横須賀に来た、という人をよく見かけた。もちろん、環境がよくて、という理由の人も一定するいる。

そういう人たちと関係を築いて、コミュニティを形成していく。ひとつの波をつくれたらと思う。

凹みを解消するために、hatis以外での販売を始める。2つあって、返事待ちの状態。ひとつは決定している。

もうひとつ、次の目標である東京出店について、これは長くなるので次の日誌に譲ろう。