湘南移住記 第253回 『ソードの4』

hatis AOを開店してから、3度目のゴールデンウィークを迎えた。例年ほどの勢いはない。hatis自体が失速している、ということか。

とはいえ、ひさしぶりに緊張感のある営業だった。満席になることはないが、ゆるやかに入り続ける。ゴールデンウィーク以降も、この調子にしなければいけない。

取り組み

これから、メニューの再編に取り組む。先週の片付けアドバイザーの人と、ゆうきくんの助言が一致したから、というのもある。

ゆうきくんは、店内を掃除して、カフェ利用をふやし、インスタでアピールをすればバイトをせずに済むと言った。アドバイザーの人も同じ。掃除をすることによってhatisで出しているメニューの価値を上げる。やすきが重要視している風水としてもいい。

掃除は、直接の利益にはならないが、長い目で見て大切な業務だ。

アドバイザーの人と平日に時間があるならもうひとつ仕事ができますね、と話した。ネットをつかった販売なら、店にいながらでもできる。最初のhatisから考えていたことで、これ以上は先延ばしにせずに、やろうと思う。

もうひとつ。平日は仕込みが少ないことが多いので、朝に珈琲の販売を別の場所でやる案。県立大学駅は特急は止まらないが、朝の人手は多い。県立福祉大学とリビング横須賀方面に通勤する人、平成町から出勤する人、とあって、この二つの導線でやれば、いいのではないか。

hatisがある生活圏内にいて、ふだん来ない方々にも知ってもらう機会になる。もちろん、店の売上以外に、利益がつくれたらありがたい。

珈琲もそろそろやらねば。

もうひとつ、横須賀市外のとある場所で、スパイスカレーの販売をしないかという話をもらっている。わくわくする。話が進めばいいな。

単純に、人がきてくれて、出会って、時間を過ごしてもらったら楽しい。

これは新しい常連さんの意見、というか何回も言われてるのだが、コワーキングスペースとしての活用はどうかということ。

例えば十夢エリアマネージャーはパソコンを持ち込んで、hatisで仕事をすることが多くなった。hatisは静かで、豊かな自然に囲まれているので集中しやすい。絶好のロケーションということだ。

静かな谷戸地域にある古民家、という環境を最大限に活かしていくために。カフェ利用であったり、コワーキングスペースは適している。

関係

人付き合いについて。3月に、人間関係を考え直した。マインドを変えたからだ。

違和感を感じることが多くなった。正確に言うと、感じていたのだが、心の奥底に隠していた。自分をたいせつにしなかった結果とも言える。

ふと訪れて、寂しさを感じることがあった。多分その人が、やすきとこれ以上の関係を持とうとしていないこととと、やすきを笑っていることが伝わったからだ。

店の日々は孤独だ。この孤独に耐えた先に、進む道がある。掃除、読書やリリックを書いたりと、内面を耕す時間に費やしていた。

ストイックにやろうとしたが、これまた、ゆうきくんとラーメンに行ったあたりから、態度を和らげた。〈圏外書房〉とか、単純にやすきが行きたいとこへ行くくらいはいいか。その代わり無理につながりを作ろうとはしていない。

週6で営業をするため、酒も控えた。行く場所は限られるようになった。お酒が楽しみではなくなった。

自分を大切にしはじめたら、新しい人間関係ができ始めている。やすきの今のマインドに合った人たち。

その寂しさはこっちにきて何回か感じたのだけれど、縁がないとそうなるのだろう。その人とのコミュニケーションは控えることにする。

やすきは繊細で、自分を大切にしてくれない人とは関係を持たない、というか持てない。相手側もそうだろうし。別にどちらが悪いということもなくて、相性の問題もある。

だから、hatisに来てくれるかどうかで判断している。高橋さんとか、たまに顔を見に来てくれたり、そういうことは嬉しい。

やすきとの関係を持とうとしてくれる人は、店を訪れてくれる。そういう人を、そういう人たちとの時間を大切にするようにした。

別の場所でやすきについていろいろ話してる、と耳に入ってくるが、そういう人はたいていhatisに来ないので、まいっかとなる。

いまがどういう時期なんだろうと客観視すると、自分に戻っている、自分を再編集して、関係より、自分の人生に集中するとき。

相模原から3人組の男性が来てくれて、hatisを喜んでくれた。hatisでやろうとしていることをすれば、さらに喜んでくれる。そのためにやろう。嬉しかった。

〈養生カフェ〉でタロットを引いたとき、ソードの4が出た。休憩、という意味。2日前、うみかぜ公園のベンチで、同じようなものを見た。ベンチのそばに黒いナイロンの小袋が落ちていた。偶然にも、その袋に剣が四つあって、正位置だった。まだ休憩が必要らしい。休みながら、次の準備をしよう。