【Sequence】 制作中BGMリスト

こんにちは、ミカです。
前回の記事で書いた川越の〈三番町ギャラリー〉での能登半島応援展示『とどけるきもち展Ⅱ』まで、あと2日になりました。
会期は10/6(日)〜10/13(日)の12時〜18時となっております。
詳細は下記記事からご覧ください。皆さまのご来場心よりお待ちしております!


本当は新作【Sequence】をお披露目したいのですが、まさかのサドンデスマッチに突入してしまったのと、せっかくなら会場の様子もお届けしたいので、会期初日にお披露目兼セルフライナーノーツを書くことにしました。
なので今回は【Sequence】を始め展示に向けての制作で支えになったり指針になった曲たちをご紹介いたします。

1.さよーならまたいつか!/米津玄師

2024年度上半期一番聴いた曲だと思う。
NHKの朝ドラ「虎に翼」にこれ以上ないほどにピッタリで、私自身が主人公の寅ちゃんやその周りの人たちの境遇と重なる部分も多々あり、毎朝感情移入して時に嗚咽まじりになりながら歌うほどでした。

中でも
“人が宣う地獄の先にこそ わたしは春を見る”
の歌詞のところは、かつて私が漆芸の道を歩むと決めた時に、似たようなことを散々周りから言われたのもあって…特に感慨深い一節です。だからこそ思い入れの強い歌になりました。
当時も今も誰かに誂えてもらった人生は、私にとってはつまらない。私は私の理想のために生きたい。例えそれが地獄だったとしても心の底から納得して自ら選び取りたい。そのためなら鬼にも悪魔にも修羅にだってなろう。そんな勇気をもらいました。

ちなみにOPタイトルバック・フルVer.も登場人物の悲喜交々がユーモラスかつ繊細で愛にあふれた映像なので併せてどうぞ。

…でも私が職人ないし作家でいられるのも、寅ちゃんたちを始め、女性の権利を獲得しようと闘った先人たちのお陰なんだよなあ。心からの敬意を込めてありがとうを伝えたい。

2.春雷/米津玄師

ずばり、恋の歌です。
ただ私の場合はお慕いしている方(いませんが)に向けた愛情というよりも、私の漆への片想いを言葉にしようとすると伝えたいことがたくさん溢れすぎてしまって未だにうまく言えないんです。
うまく言う必要など無いのは分かってるんだけれども、その「覚束なさ」とこの曲の歌詞がシンクロして今回二番目によく聴いていました。ちなみに私が漆に興味を抱いたのは夕方のとあるニュースで山中温泉にある〈挽物轆轤研修所〉の存在を知り、『女の私も職業として職人を選んで良い時代になったんだ!』と思ったのが最初のキッカケ。この歌に擬えるなら恋に落ちた瞬間だった。

3.アンビリーバーズ/米津玄師

今年は信じたくないことがいっぱい起こった。でもそれらは全部悲しくても現実だから受け止めて進まなければならない。
そんな時に「全て受け止めて一緒に笑おうか」って言ってくれるのに私は救われました。
目を背けて無理やり笑うんじゃない、必要に応じて逃げることも必要。そしてその先が何であっても受け止めた上で一緒に笑ってくれる人の存在はとても心強い。泣きながらでも這い上がって行こうと思わせてくれた歌。

4.syrup16g/天才

追い込みで本当の本当に追い込まれて極限状態になると、この曲の「チェインソウ」のところで叫びながら作業してます。
締切前の人間はみんなそうなるのではなかろうか。って、もしかして私だけ???
とにかく急に踊り出したり叫んだり歌い出したりしてアドレナリン出すことで乗り越えようとするんじゃないですかね、脳が。

5.King Gnu/SPECIALZ

この曲はリズムが聴いててすごく気持ちいい。
基本的には四つ打ちなのに二番終わった直後の「i luv u 6a6y」からの16小節だけ8ビートになるところがめっちゃ好き。
こんなノリノリのビート刻まれたら、こっちもノリノリで五寸釘打ちたくなっちゃうよね。ただ呪詛って案外成功条件がシビアなので割に合わないし、人を呪わば穴二つなのでしません。
(日本における装身具の歴史と呪詛及び宗教は切っても切れない仲なので少ーしだけ齧ってます)

6.アイデンティティ/サカナクション

追い込みで本当の本当に追い込まれて極限状態になると歌う曲その2。
以前Vo.山口さんがこの曲を作る際に『アイデンティティってテーマで書くとなると、アイデンティティが“ある”方を書くか、“ない”方を書くかの二択になる』と仰ってたのを思い出す。私自身は制作中しょっちゅう産みの苦しみを味わうタイプなので、とても共感してしまうし、どうしてー!!!と叫ぶが、それでもまだ私は自分で選んだ地獄で生きたい。
いや、愛する漆と一緒ならいっそ心中する覚悟で骨の髄までかぶれて輪島に行ったので、好きな漆といられるなら地獄も天国かもしれないと思うことはあります。