皆さまこんにちは、ミカです。
本日は来週から始まる展示のお知らせと、輪島への私の想いを綴ります。
先に言います、長いです。
来る10/6(日)〜10/13(日)の1週間、埼玉県川越市にある〈三番町ギャラリー〉にて
能登半島応援プロジェクト「とどけるきもち展Ⅱ」−あの日を忘れない− を開催いたします。
今回は母校〈石川県立輪島漆芸技術研修所〉の先輩に当たる諸石ご夫妻と、同級生のululuさん始め、輪島の職人さんの作る本物の輪島塗の商品も一緒に並びます。
わたくしミカも本業の漆作家annonとして出展し、売上の30%を義援金として寄付いたします。なお輪島の職人さんの商品をご購入いただくと職人さんへの直接支援につながるので、そちらをお手にとってくださると我々としてはうれしいです。
出展作家一覧(敬称略)
・YUKAKU 優角 https://www.instagram.com/yukaku.tsuyatokatachi/
・ululu https://www.instagram.com/ululu_urushi_craft/
・Hosi bosi coffee https://www.instagram.com/hosi.bosi.coffee/
・FEEL J Style https://www.instagram.com/feeljstyle
・annon by Mika Tajima https://www.instagram.com/annon_by_mikatajima/
能登半島応援プロジェクト「とどけるきもち展Ⅱ」−あの日を忘れない−
日時:2024/10/6(日)〜13(日) 12時〜18時
会場:三番町ギャラリー
住所:埼玉県川越市南通町14-3 三番町ハウス103
MAP:https://maps.app.goo.gl/33omXmVuZ26MgHJN8
漆器や漆製品の美しさ、堅牢さは触れて初めて分かるもの。
だからこそ直接お手に取っていただけるこの機会に一人でも多くの方にご来場いただきたいです。
また、何事もまずは「存在を知っていただく」のが一番大事なので、皆様のご来場を心よりお待ちしております。
現実とどう向き合うか
以降は私の所感。
ご存知の通り今年の元日、令和6年能登半島地震が起こりました。
よく見知った故郷とも呼べる街のあまりにも大きな変わり様に絶句した。
友人、知人、先輩、後輩、諸先生方、お世話になったバイト先のオーナーご夫妻。みんな住んでる、みんなそこで生活してる。挙げ始めたらキリがなく、あの日テレビ越しの惨状を私は直視することが出来なかった。どなたの家が燃えているかが分かってしまったから。加えて先日の台風による水害。一歩ずつ日常を取り戻そうと日々踏ん張っている人たちの努力を思うと「頑張れ」とは言えなかった。どんな言葉をかけるべきなのか、かけないべきなのか答えを出すことが出来ない。
だからこの記事もどんな言葉が本当に相応しいのか今も迷いながら書いている。
地震直後の1月6日に書いた個人ブログが残っているので、そのリンクを挟むことにする。読みたい方だけご覧いただければと思う。

私は輪島の方々に支えていただいたお陰で5年間の研修期間を乗り越えることが出来た。
それ故に『何で?どうして?みんな日々の生活を営んでいただけなのにこんな仕打ちあるかよ。ふざけんじゃねえよ』が毎日心の中に去来したし、一日に二度更新される石川県の行方不明者リストの中に見知った名前が出ないことを願いながら凝視する日々が続いた。結局その願いは最悪の形で打ち砕かれた。
この災害で亡くなられた先輩や焼失した街への喪失感や悲しみが癒えた訳でもない。多分心の整理なんて一生つかない。でも一つだけ言えるのは、輪島の人たちに一日も早く心が安らぐ日々や生活が戻って来る様にできる限りのことをすると決めた。根拠のない「頑張れ」や「大丈夫」を私は性格上言ってあげられない替わりに。
だから辞めない
正直昨年は私生活で色々ありすぎたため、漆を辞めて転職するか悩んでいた。
その最中、あの地震が起こった。
上述した通り私はしばらく何も手につかず、思い出しては嗚咽を漏らし、無力感に苛まれた。
でもある日ふと思った。
今の私の技術を育ててくれたのは間違いなく輪島の先生方であり、苦楽を共にした同級生や先輩や後輩の子たちの応援があってこそだったと。
私にとって何かを辞めることは簡単。だからこそ漆を辞めないって選択肢があっていいじゃないかと。
それにどんなに険しい道であっても、既に18歳から数えれば来年で漆の道は18年歩んでるし、険しいのはもう慣れている。
何より私が受け継いだ技を誰かにつなぐこと、それ自体が輪島への恩返しになるのでは?と考えるようになった。
そうと決めたら漆は制作に時間がかかるので急いで取り掛かり、そうして5月に生まれたのが「With You」リングだった。


今回は「With You」リングの他に、少しですが新作もお持ちいたします。
テーマは「Sequence」。音楽用語だと”反復進行”という意味を持つ言葉です。漆は何度も塗って研いでを繰り返しながら完成に向かうところが正にSequeceだと思ったのが着想点でした。
復興も一人一人ができることを少しずつ繰り返しながら進んでいくのだろうし、その積み重ねは決して無駄じゃないと私は信じたい。
完成が搬入日ギリギリになる予定ですが『間に合わせるぞ』を合言葉に、皆様にご覧いただけるよう善処します。
最後になりますが、どうかこの祈りが一人でも多くの人に届くように願っています。