こんにちは、ミカです。
新たにDonuts.編集部に加入したスミーさんにお誘いいただき、今年横須賀にできた中国茶カフェ〈好日〉さんへ行ってまいりました。
正午にJR横須賀駅で集合。
スミーさんにヴェルニー公園やドブ板通りを案内していただき、チャキチャキのマダムが仕切るお店でアメリカンなランチを食べ(ここまでで既にすごく楽しかったので後日別記事にします)、目的地のカフェ「好日」さんへ向かいました。
穏やかな日差しの下で
古民家のチャイムを鳴らして店内へ入ると、懐かしい柄入りのガラスの引き戸と障子。穏やかな雰囲気の漂う素敵な店主さんに奥へ案内していただくと手入れの行き届いた設えのお部屋。
その中に趣のある古家具やコツコツ集めたというアンティークの器たち、そして沢山のお茶が私たちを迎えてくれました。
店主さんに丁寧に解説していただきメニューとにらめっこする。
でも、どのお茶もとても魅力的で珍しく即決できず、思い切って今回は店主さんに
『中国茶カフェを開く決め手になったお茶or特に飲んで欲しいお茶があれば教えてください!』とお聞きしました。
その結果、今回私は台湾茶の「阿里山金萱(ありさんきんせん)」を注文いたしました。

こちらが私の注文した阿里山金萱。
お盆の上に並ぶ茶器たちは洋邦も東洋も問わず店主さんのセンスで集まってきた子たち。みんな生まれは違うけど、お盆の上で仲良く調和してるように見えた。世界もこのお盆の上みたいに手を取り合えたら幸せなのになぁ。
と、話が逸れてしまいましたが、
工程としてはまず右上の小さな急須にお湯を注ぎ、次は手前の小型の水差しにお茶を淹れます。
この水差しの中にお茶が入った状態を「茶海」と呼ぶそうです。
”お茶の海”だなんてロマンチックな名称ですよね。
注いだときの淡いはちみつ色がとても美しかったです。
その茶海を茶杯に移しながらいただくのですが
「一回目は是非お湯を注いだ後に急須を開けてみてください!」とお勧めがあり、言われた通り蓋を開けると茶葉の芳しい香りが一気にふわっと広がったのに思わず感動しました。
阿里山金萱はミルクのような甘い香りがありつつも、飲み口は非常にスッキリとした清涼感。
中国茶・台湾茶は同じ茶葉で二度三度、玄人になると十回淹れられると言われているそうです。
淹れる前の茶葉は山椒の実のように丸めてあったのですが、お湯を注ぐ度に茶葉が少しずつ開いていくので、味わいも少しずつ変化していくのが楽しかったし、面白かった。お隣の国だけど国が変われば文化や楽しみ方も当然違うよね、それが良いよね、とその工程含めて味わい深かったです。
結論からいうと、あまりの美味しさに私たちは同じ茶葉で七回お茶を楽しませていただきました。とっても美味しかったから飲む手が止まらなかったというのが正直なところです。
ちなみにお茶を頼むと一緒に小さなお茶菓子も付いてきます。
この日は薬膳などでお馴染みの棗、枸杞の実、ローストした向日葵の種、ココナッツ、アジアに行くとよく出会うねじねじクッキーなどのラインナップでした。

(今回の茶杯はなんとベトナムの小さなグラス!てっきり漢字なので中国か台湾のどちらかかと思った。個人的にベトナムは大好きな国で二度ホーチミンに渡航し、この日はベンタイン市場で買った鞄で伺った私はここでテンションが最高潮になった)
私は仕事柄やっぱり器は見てしまうし大好きなので、店主さんに色々と「この器はどちらでお求めになられたんですか?」「これは昭和初期の印判の染め付けですか?」「古いガラスの器って現在と違ってちょっと分厚かったりするのめっちゃ可愛いですよね!」と質問攻めにしてしまいました…!
でも快く器の思い出や、産地や、旅先で出会ったことなどをお話ししてくださり、ありがたかったです。それが嬉しくて更に器の話をついついしちゃった。それでもお付き合いいただいたこと本当にありがとうございます。

縁側にもカウンター席があり、この日は穏やかな日差しが差し込んでいました。
窓越しに見えるお庭も手が行き届いていて植物が生き生きとしていて思わず笑みがこぼれました。実は店内には自由に読める本も沢山あり、植物の本もいくつかあったのできっと店主さんは植物もお好きなのだろうなと感じました。
気になる本が数冊あったので一人で行くときはそれをお供にお茶を楽しむのもきっと良い。
楚々とした佇まいの中、時の流れすらもゆっくりと味わえて、呼吸が深くなる。
そうしている内にまるで無意識に背負い込んだ肩の荷が落ちていくような素敵な場所でした。
大切な友達や、大切にしたい人と一緒にこの空間を過ごしたいと強く思ったので、帰る際に「また来ますね」とお伝えしてからお店を後にしました。
好日 中国茶カフェ
場所:横須賀市小矢部3-3-3
営業時間 12:00~18:00 月火定休
Instagramhttps://www.instagram.com/tearoom_kojitsu/