湘南移住記 第235話 『評価』

6月に入った。

今月から、営業日を週5から週4に変える。その代わり、全日をフルタイムで開けるので、営業している時間としては変わらない。

夜営業が課題なのだが、入らない日もあれば、入る日もある。去年から状況は変わったのか、と自分に問いかけると、どうだろうか。

週4ほど店を開けても余裕を持てれるようになったので、すこし前に進めているようだ。

比較

あるお客さんが来られた。スパイスカレーを食べて頂いたのだが、かなり遠回しに「お前は本気でやってないんだろう、逗子の〈スパイスツリー〉の方がうまいぞ。あそこは1時間並ぶんだぞ」と言われた。

ひさしぶりに頭にカチンときた。なんて失礼な奴なのだろう。

前にも同じような事を言われたことがあった。共通点としては、飲食をやってない人に、スパイスツリーを見習えということを言われた。その時はさすがに辞めようかなと思ったくらいだった。言われた人の気持ちが想像できないのだろうか。

ある年代の人にその特徴がある。そういう時代だったのだろう。自分は言われて嫌な気持ちになるので、同じような人間にはなるまいと心に誓った。

しかし指摘は指摘だ。

そのあと、千葉市からわざわざhatisに来るために横須賀を訪れてくれたお客さんがいた。やすきのスパイスカレーとhatis AOを肯定してくれて、嬉しかった。

今日は高橋さんがケイナさんと寺内さんたちを連れてきてくれた。同業のケイナさんをはじめ、褒めてもらえて自信になった。

その人にとってはそうなのだろう。

美味しさの絶対値はある上で、好みの横幅のブレもある。

肯定的な意見を受け入れるならば、否定の意見も受け止めなければいけない。自分にとっていい意見ばかり取り入れていると、都合がいいし、足元がおぼついてしまいそうで危険だ。

スパイスカレーのさらなる上達を図ろうとしていたところである。ひゅごくんに、スリランカの伝統料理を勉強したらどうかと教えてもらった。

みんなが言ってくれるみたいに具体的な改善点ならいいのだが、スパイスツリーうまいよおめえはそんなだよ道楽なんだろと言われても漠然としてるしなあ…。まあ、スパイスツリーに行ってみるしかない。

あなた以外の人間も心を持っていることを理解できないんだろうか。初見でやすきが繊細なハートをもっていると看破してくれとは言わないが。距離感わからないか、自分が神なんだろうな…。

怒りを動機にするとガソリンにはなるのだが、それは遺産相続で懲りた。今はhatisをたのしみにしてくれる人がいるので、怒りを手放して、行動に変えていこう。

自尊心の話をしたのだが、評価にブレることなく、これでダメならダメだと胸張って言えるとこまで持ってく。

店も、自分の人生も、なんか言われるのはずっと続くだろうから、言われて心が動じず、精進にもっていけるよう時間をつくっていかないとね。