湘南移住記 第220話 『つながりの街』

過去の振り返り。

衣笠の花屋さん、〈玉姉妹〉さんと〈GARAKUDO〉さんとのコラボワークショップがあった。

きっかけは、〈GARAKUDO〉のマサコさんがhatisによく来られるようになって、〈玉姉妹〉のケイコさんを連れてきてくれたことからだった。

その日は雨の日曜日だった。来客も少なかったので、テーブルを囲んで話し合った。

3人でなにかできないか、ということになり、コラボをすることになった。

マサコさんは行動が早く、フライヤーも紙で刷って、告知の文章もしっかりとしていた。見習わなければと感じた。

ケイコさんは、横須賀で出会ったなかで特に柔らかい空気感の持ち主だった。津山の〈丹後山アパートメント〉のナルちゃんに似ていた。

ケイコさんが持っている柔らかい空気に触れたことによって、自分の焦りや偏りに気づいた。

泥まみれ汗まみれで自動車部品を取り扱う日雇い仕事をしていたりすると、こういう空気感の人と出会うことはできない。

焦りを鞘に収めて、自分の心を正していく必要がある。その偏りは、スパイスカレーや珈琲に作用して、口にしてくれる方に影響が出てしまう。

ワークショップの会場は〈玉姉妹〉さんの場所だった。その場所もステキだった。暮らしを丁寧に送っていることが一目見てわかる。

スパイスカレーの準備で、履いていた黒いズボンが汚れていたのを見かねて、ケイコさんがその場で洗濯してくれた。

ケイコさんの妹さんがズボンを作っていて、それを履かせてもらった。デザインも履きも心地よかった。

コラボワークショップに参加して頂いた方たちも、みなさん温和な空気を纏っていた。同じ空気の人はどうしても集まるのだろう。

三春町の〈cafe mimosa〉さんも来られていた。年齢的に同級生で、Twitterでセーラームーンの映画を観るように薦めてもらっていた。

こういう方たちと時間を過ごされたということは、流れの潮目が変わったということだ。

インカ

別日。

hatisの営業日にある女性が来られた。横須賀へ移住されてきた方で、佐野町であたらしく鍼灸院兼コミュニティスペースをつくろうとしている、ということだった。名前をお聞きしてなかった。

たまたまスミーさんが店に来られていたので、一緒に行ってみることにした。

学童があった場所を、DIYで改装していた。hatis AOのオープン前を思い起こさせた。

話が合って、スミーさんがこの場所でコラボすることになった。竜巻のように話が進んでいく。

DIYを手伝ってるのはご友人の方だった。お2人は、インカ文明のマイナーな郵便局をお互いに知っていて仲良くなったらしい。前世から繋がってそうな雰囲気だ。

私もマヤ文明が好きで、ケツァルコアトルという風の神が好きだ、と伝えた。

hatis AOをオープンしてから1年になる。移住の民も含めて、店が線になってきた。

横須賀がこれから大きく発展する。そう予感させるような線の束だった。