金曜日。あたらしい仕事の初出勤日。朝の10:00に京急県立大学駅から川崎駅まで向かう。集合は11:30。初日は研修、とのことだった。
研修には抜き打ちテストがあるらしく、テストの回答を書いてある用紙を事前にもらっていた。向かう途中の車内で確認をした。すると、シフトに関する設問があった。月に3日まで希望休みを出せると書いてある。
Trust

おかしい。面談の話では土日休みは可能と聞いていたし、店を営業しているということも話していた。
メールで派遣元に問い合わせると、土日休みは難しく、なぜ土日に休みを希望なのかの理由も聞かれた。私が週末に店の営業をすることが、派遣元の社内で伝わっていないようだった。
さすがに信用できなくなって、当日で申し訳なかったが、今回の話はお断りさせて頂いた。
派遣会社は、対応が雑に感じることがある。いままでグレーな部分も飲み込んでやってきたけど、店を再開してからは曖昧な判断は止めることにした。私がそういうことをしていると、店に直接、関係ないことでも周り巡ってお客さんに迷惑がかかるからだ。
今回のことは、例えば私が店で、今日はコスタリカの珈琲です、と言って出しているが、実はタンザニアの珈琲だった、みたいなことだ。
相手も人間だから間違いはあろうが、残念だった。
〈hatis AO〉を通して出来ている仲間は信頼度が高い人ばかりだ。お客さんも、みんな人のいい方ばかりで、この出来事から比較すると、恵まれているなあと思った。
仕事が限られてしまうが、この人となら何かやれるな、という関係を結べれそうなことしかやらない、と心の内で決めた。今回のことを教訓に、光が見出せたのかもしれない。
気持ちを変えて

川崎に向かう途中、横浜で降りた。せっかくなのでラーメンを食べた。美味しかったが、食べたあと物足りなさを感じた。
ラーメン代の1000円で店に関することができないか。好きなラーメンが、今の私の軸からかけ離れているからだった。楽しみは楽しみであってもいけれど。
長者町にある〈shelter people〉に行った。途中、以前にも行ったジャズ喫茶〈ちぐさ〉が、取り壊されて、建物ごとなくなっていた。以前に来店した時、キース・ジャレットのレコードをリクエストした記憶が思い出された。歴史のある老舗だったので、店があった場所を通りかかった中年女性2人があら、ここなくなったのねえと話しているのが聞こえた。

〈shelter people〉では深煎りの珈琲とガトーショコラを頼んだ。店内は薄暗く、カウンターしかない。珈琲を音楽を聴く。スピーカーは旧東ドイツのメーカー、シュルツのユニットが使われている。気が緩んだのか、どっと疲れを感じ取った。
横須賀までの帰りの車内、気分が悪くなってきた。気を変えて、次のことをやるしかない。
夕方に帰ってきて、三春町のワットマンに店用のオイルヒーターを買いに行く。古着屋にMA-1を売って代金の足しにしようと思ったが、窓口が閉まっていた。
オイルヒーターを手で運んで富士見町の店まで運んだ。途中、サウザンドクレインさんから飲みの誘いの連絡があったが、タイミングが合わなく、来週の火曜日に行くことになった。
数万年前の光

土曜日。明日の営業のための準備。朝9時に出発。
寒い空気に、澄んだ冬晴れで、空を眺めていると気持ちがすっきりする。海が近いからか、横須賀は冬でも清涼としている。津山とはまた違う感覚だ。水色の寒空がどこまでも続いていた。今日も、轟音を立てながら飛行機が往来している。
上町の図書館に寄る。さいきん、ブログを読んでいる、と言ってくれる人が多いので、もっとよくするために、表現に関する書物を借りた。ウンベルト・エーコの『記号論』を借りた。
野口さんから連絡が来て、〈No.13〉でコスタリカのカッピングに誘われた。日曜日の朝もうちの店で撮影をする。仕込みを夜の8:00に終えて、〈No.13〉へ。
店にはいつも会う常連さんとアルパカさん、たまたま来たニシガーミー夫妻とオールウェイズさんと久々に会った。楽しい時間だった。
カッピングしたコスタリカの豆はとても美味しく、クリーンだった。今日の寒空のように澄んでいた。
濃密な1日だった。それはとても幸せなことなのだろう。帰宅すると夜12時を回りそうだった。夜空にはオリオン座が輝いていた。あの光は数万年前のもので、私たちが見ている空はとてつもなく過去の光景だ。
今日のこの1日の輝きも、数万年後にとどくのだろうか。