ジャマイカンスパイスカレーの反省

先週のスパイスカレーの反省。

来客は少ないが、限られた時間でどうやってスパイスカレーと自家焙煎珈琲を用意するかの闘いだった。平日の仕事で疲れていて、半分眠りこけながらカレーを煮込んでいたこともある。

弱さ

スパイスカレーは良かったのだが、珈琲がまずかった。風味の向上をねらって、いままで取り組んだことがない深煎りをやってみた。たまたま1発目がうまくいって、これは美味しいと続けてみたが、その後が続かなかった。どうしても苦味が前に出過ぎてしまう。

野口さんにアドバイスに従って、2ハゼが終わるまで火を弱めず、焙煎時間を短くしたが、それでもうまくいかない。

スパイスカレーに手を取られすぎて、珈琲をこれでいいだろう、と妥協してしまったことが何回かあった。後で本当に後悔した。疲れていたけど、焙煎し直せる時間はあった。あれで出してはいけなかった。お客さんに誠意を欠いてしまった。

厨房にある焙煎器を前に、考え込んだ。椅子を置いて、座っている。天井には切れかけた蛍光灯。夜の10時。

このままでは、よくない。

珈琲は、自分を映し出す鏡のようなもので、自分の甘さや弱さを思い知らされる。2度とこんな後悔をしないようにする。プロ以前に、人間として弱すぎた。

先週は、営業中、お客さんがいない時間はほぼ焙煎をしていた。1度に焼く量を減して、何度も取り組んだ。

美味しい珈琲が出せるようになりたい。という一心だった。

今週末には野口さんと共同購入したドミニカのワイニーナチュラルが届く。苺の酸味と香りがある、とても華やかな生豆。自分の課題である香りと果実味を出せるように焙煎をする。ここを越えて一歩前進したい。楽しみだ。

ジャマイカ

スパイスカレーはジャマイカカレーを2回やった。毎回違うカレーを作っていて、1度同じカレーを1ヶ月間作り続けたら、と常連さんと話になって、どうせならやったことのないカレーにしたくて、ジャマイカカレーを選んだ。

ライスアンドピーズという、赤インゲン豆とココナッツミルクでご飯を炊く料理がある。一般的にジャークチキンと揚げバナナを合わせるのだが、私はスパイスカレーを乗せた。

聞いたことのないスパイスが必要だったが、後でオールスパスパのホールであることがわかった。

ライスアンドピーズは最初怖かったがやってみると思いのほか美味しかった。濃い方がよかってので、2週目は魚のだしと醤油を加えた。

面白いのが、青ネギを乗せるということ。ジャマイカ人がネギを入れた方が美味い、と動画で話していた。ネギはジャマイカにもあるのか。とても日本的なものという印があった。仕上げに青ネギを細かく刻んで、水にさらしてからライスアンドピーズの上に乗せる工夫をした。

しかし、変わった料理だ。国、気候、風土、文化が違うと食文化の常識さえ違う。日本では簡単に材料が手に入る。お客さんと擬似的な世界旅行をしているようなものだ。

湘南の土ネギが手に入ってライスアンドピーズに使った。香りが他のネギと段違いだ。また、食べた後に体に清涼感が駆け抜ける感覚がある。

来週はジャークチキンとほうれん草のカレーのあいがけをやる。スパイスカレーは、壁があるものの、楽しく作れている。珈琲も楽しもう。

焙煎が失敗した豆は、自分で飲むことにしている。営業後の月曜。出勤前、朝の7時。いつものコーノ式のドリッパーで珈琲を淹れる。厨房。最近は時間にがもったいないのでテーブルではなく台所で食事をしている。

朝日が差し込む。富士山は今日も静かだ。疲れて体に力が入らない。それでも、生きとるなという充実がある。朝日がやけにリアルな時がある。珈琲だけは、うまくいってない時に面白いと思う。