日曜日。くもり。
8月の後半、夜が寒くなってきた。夏が終わる気配を感じさせる。あっというまに過ぎたけれど、初めての横須賀で過ごす夏だった。横須賀の夏は、三浦より湿気が多かった。
コロナの感染者増はあるが、街に活気が戻ってきているように感じる。寂しかったドブ板通りも人が来ているし、横須賀中央の夜は盛況だ。
横須賀市立うわまち病院の跡地に、福祉大学ができるというニュースを見た。県立大学駅から富士見町の導線には直接関係はないけれども、お店としては長い目で好材料。多くのご縁ができれば。
カッピング

朝8時半、〈No.13〉にてコスタリカのカッピング。野口さんが生豆の共同購入を持ちかけてくれた。
カッピングや生豆の共同購入も初めての経験だ。〈No.13〉に向かいながら、以前より、ステップアップしたと考えていた。
朝の佐野町。三崎までつづく道。空気に含まれる小さな冷たさが、肌を通り過ぎる。蝉はまだ鳴きつづけているけど、秋がもう訪れようとしている。
ここまで来るのにすべての判断が正しかったとは言えない。だけれども、じょじょに、神奈川に来てよかったとも思えるようになってきた。
カッピングはYouTubeチャンネルをされているアルパカさんも入り、撮影をすることに。ゲストという形でお邪魔させてもらった。
店のカウンターに8種類の焙煎されたコスタリカの豆を並べ、カウンターに私と野口さんが入り、機材をセットして、アルパカさんが撮影。最初は緊張したが、たのしかった。
豆を粉にして香りを、湯を注いで風味をチェックする。8種類から購入する1つを選ぶ。

購入すれば、私の店の主力になってくれる豆。
今回、並んでいる豆は、私が前の店で取り扱っていた豆よりキロあたり800円以上は高い。良質で、ランクが上のもの。
珈琲豆は、高ければ必ずしもいいというものではない。焙煎者の技量にもよる。以前、キロあたり2300円(いつもは1500円前後)の豆を焼いてみたが、フレーバーが強烈でうまく扱えず、結局お店で出すことはできなかった。どうしても、酸味と香りが尖りすぎてしまう。
はたして今の自分の技量でこのランクの豆が扱えるのだろうか…と不安がよぎったが、アルパカさんに「チャレンジ、チャレンジ!」と励まして頂いた。
検討

カウンターに並んだ8種類の豆を検討する。すべて同じコスタリカ産のものだが、生産農家さん、品種、精製方法がそれぞれ違う。どの豆も個性が明確で、魅力的だ。生産農家さんの努力が風味を通して伝わる。
私たちは、それをお客さんに伝えなければいけない。仕事とは、努力のバトンをつないでいくことでもあるのだろう。
カッピングの作法を、ひとつひとつ丁寧に野口さんにレクチャーしてもらった。
教わる立場なので、謙虚にならなけばいけないのに、偉そうな物言いになってしまっていたのではないかと後悔する。
検討の結果、たまたま、希望する豆が野口さんとかぶっていたので、第二候補まで指定した。
第一希望は、2人とも同じ指定だった。華やかな香りのレッドハニー。レッドハニーとは、ミューシレージを70%残して発酵させた製法のもの。お米で言うと、7分づきの玄米、のようなこと。
購入はしなかったが、印象的だったのはエチオピア原産の品種。コスタリカ産なのに、風味がほとんどエチオピアのものだった。鮮烈な香り。
ということは、その国の土壌より品種のほうが風味に影響が出るということだろうか。
ここで繰り返し書いているが、同じ珈琲でも、こちらは地元の津山とまったく状況がちがう。津山ではルールもわからず草野球をしていたようなものだった。
世界

東京も近いこともあってか、こちらは世界基準。世界で最新のやり方が届いている。
横須賀で珈琲をやれば、相当に力がつく。今の実力では駄目なことはわかっているので、知識や経験をより増やしていくことが重要になる。
カッピングが終わり、アルパカさんと今後の展望を話した。アルパカさんは思考も語り口も論理的だが、気持ちが熱いものを持っていて、そこに動かされる。
店を開けば、状況がまた一変するだろうし、具現化できることもふえる。
この半年はきつかった。具現化ができ始めて、やっとワクワクしている。もう、ほんと、やっとこさ。


ちかくのおにぎり屋さん、〈タネノキ〉さんに寄った。店主さんとは〈No.13〉で一度出会っている。天秤座の女性で、話の受け方がすごい上手な方。
食材に気をつけられている。酵素玄米のおにぎりなど並んでいた。おにぎり2種類と、おかずとお茶がついたランチセットを購入する。
おかずは人参のラペや、野菜の豚肉巻き。愛に溢れた味。
リサイクルストアで花瓶をさがそうとしたが、しまっていた。
衣笠商店街の〈鈴木水産〉で2食で100円の生ラーメン、ザーサイ、お豆腐、刺身用のあじを買って500円。ここは異様に安い。
この日誌もついに200話を迎えることができました。自分の感情の整理のために書き始めたものの、多くの人に読んでもらえるようになりました。
これから
途中から、ご縁がある方への報告も含むようになりました。ありがとうございます。
これからは、自分のことだけではなく、さまざまな人達のことを知ってもらうために、メディアとしてシフトしていきます。
これから出会う人のために。
もちろん、ご縁がある人のためにも。
今後ともどうぞよろしくお願いします。
