湘南移住記 第183話 『いきすぎてた』

病院に行ってから、1週間が経った。いまだ石は出てこず。

3日間の休みがあった。本当に、なにもしなかった。朝起きて、庭を整えて、ご飯をつくって、瞑想して、ぐったり寝て、を3日間繰り返した。シンプルに疲労が溜まっていた。文章も書きたくなかった。

紅茶を淹れて、音楽をかけて、なにもかんがえず、庭や空を眺めたりもした。

ケンドリック・ラマーのアルバムが素晴らしかった。サンファが参加した『Father Time』という曲がとても良かった。子供が産まれたケンドリックが父親になったこたで歌った歌なのだろうか。

突然、心が虚しくなった。なにをやっているのだろうという気になってきた。

人生に疲れてきたのだろうか。よりよく生きようとするのが馬鹿らしい。結局、何をやっても笑われるだけな気がしてきた。

オープンが遅れに遅れている。

SNS上の人目も気になってきた。

バカにされているのではないだろうか。

ひとつ気づいた。それは妄執で、実体のないことだった。いままで自分を責めて苦しめていたのは、ほかでもない、自分だった。

いつもなにかに怯えていた。

それは自分の、自分に対する目だ。

ここまで体調も心も崩れているのは、やりすぎだった。

3日目の夕方に、なにかしようと言う気になってきた。

私には、休みが必要だったらしい。

斉田浜海岸

上町3丁目の交差点

今日の現場は佐島方面。不入斗橋のバス停から南東へ向かう。自衛隊前で、横須賀中央方面からたくさんの人が降りていった。このあたりは自衛隊の基地や大きな病院があり、飲食店が多くある。仕事もあるようだ。

出勤時間より早く着いて、辺りを歩いた。西浄化センター裏手に、斉田浜海岸という気持ちのいい場所を見つけた。川から海へ繋がっている。

そこで昼食をとった。よもぎ蒸しパンと、朝、淹れてきた珈琲を飲む。トンビに蒸しパンをとられないように警戒した。

海を眺めていると釣りをしている人が2人いた。

川と海の境界線、汽水域には美しい水が流れ込んでいる。神戸時代、ちかくにあった都賀川も、南にくだると汽水域があった。たまに30分ほど歩いて、汽水域の静かな波音を聴きにいっていた。

この1週間、様々な縁ができた。一緒になにかやりたい人が増えた。今日もそういう話があった。

結局、そういう出会いが嬉しいのだと思う。生きててよかったなあ、と感じることと、心の疲労が釣り合っていない。体調も。

よくなりたい。