湘南移住記 第175話 『玄米粥』

昨夜、午前0時。現実の体の、左腹部が痛い。途端に夢から醒めた。何の夢を見ていたかは覚えていなかった。

起きてから、朝4時まで痛みが続いた。布団の上で苦悶する。便に血は混ざらず。が、トイレの便座の上にいた。

尿管結石のように、体を温めれば治るかもしれないと考え、風呂に入った。右足裏の踵に近いほう、腸にツボに当たる部分にコリが出来ている。湯につかって、コリをゆっくりもみほぐした。

すると、痛みが引いて寝付けることができた。

病院で効かない痛み止めをもらうより、ツボを押したほうがよっぽど効果的。

2時間しか寝れなかった。しんどいが出勤。〈パニエ・ド・パン〉の天然酵母パンを2片、口にする。パンに合うジャムをつくりたい。

辛抱

月曜日、気晴らしに絵を描いた。思いの外に楽しく、集中できた。

絵を描くと、視覚の精度が上がる。県立大学的から山手側の木を見る。自然は情報量が多い。むかし、自然の風景をスケッチしようとすることがある。木や花を線にすると、膨大に引かなければいけない。人工物のほうがよっぽど簡単に描ける。

上大岡駅あたりで乗り物酔いが起こった。普段は起こらない。通勤で、体調に異変が起こるのはなぜかきまって上大岡駅だった。

睡眠不足と痛みでしんどいが、我慢して仕事をする。

昼食、いつもはコンビニで買うパンひとつ。今日は社員食堂で定食を食べる。そんな気分だったから。チキンソテーのガーリックソース、ご飯大盛り。ここの社食のご飯は美味しい。お腹いっぱいたべるなんて、ひさしぶりだ。こんな食事はほとんどしなくなった。

ご飯を食べて、元気が出た。療養食として肉はいい。精力が出る。ただ、常食すると、体に負担がかかってしまう。

職場で、隣の席のサガンさん(仮称)だった。サガンさんは日本のヒップホップ好きで、話が盛り上がった。田我流が好きなようだった。YouTubeにあがっていた漢と出所したD.Oの対談見た?とリアルタイムの出来事について話した。

これは一昔前ならあの音源聴いた?だったが、それがYouTubeになった。つまり、情報の消費速度が上がっているということだ。

肯定する

しかし、ここまで体調を崩すとは思わなかった。病院費など出費が出たり、予定より稼げなかったので、明日、今月分の家賃を払うと、一時的に預金高が去年の出発時と同じになる。翌日に給料が入るので、すぐ回復するが…。

去年のこともあるので、これからお金回りをよくする。しかも、勤めてではなく、自分の商売で。

この2ヶ月で、自分の体の弱さを思い知った。肚を決めて自分の商売で利益をださないと、体がもたない。

人間生きていると、予期せずなにかが起こる。感情に振り回されず、冷静に対応していくことが大事で、懐も温かいほうがいい。

というか、まず健康。お金を稼ぐにはまず元気が必要だ。

おとどしの年末、父と祖父が亡くなってから今年の三月まで、あまりに激しい感情の起伏を経験した。いままでの人生の中でも、最も大きい波だったのかもしれない。泣いて、泣いて、泣いた。

だが、ここまで来て、もうなりふり構わずというか、他人の目を気にしてる場合ではなくなった。

観念して、どこか自分を肯定した。

できたことも、できなかったことも。

すると、いままで味わったことのない多幸感が降りてきた。無敵感というか。開き直れたのだろう。

過去を後悔するより、この瞬間を大切にする。シンプルなことだった。

意識する

昨日の世界線の話を応用すると、私も健康になれるのではなかろうか。まず、私自身が健康を強く望むこと。

島田紳助がダウンタウンの松本人志と意識について話す動画を見た。紳助は幼き頃、寿司職人になろうと決めてしていたらしい。ところが何の因果か、芸人になることを選び、司会者として活躍していた。

ある日、紳助が料理番組に、料理をする側で出演することになった。紳助は独学で料理をしていたので、テレビに出る前に自分のやり方を料理の先生に見てもらうことにした。

紳助は先生の前で魚をさばいた。それを見て、先生はこう言った。「紳助さん、その魚のさばき方、誰に習ったんですか?」と。

独学にも関わらず、紳助がなぜ先生がみてもおかしくない魚のさばき方ができたのか。紳助はこう解釈した。

自分が幼い頃に寿司職人になろうと決めていたので、知らず知らずのうちに魚のさばき方の情報を無意識に集めていたのだ。今ではYouTubeがあるので簡単に覚えられるが、当時は大変な作業だったろう。

紳助は意識すると脳が勝手に情報を集める。それを引き寄せとも世界線とも解釈できる。

だから私も、健康な体を強く望むこと。疲労が抜ける。臓器も強くなる。姿勢と軸を持つ。言葉はめっちゃ大事。

意識の便利なところは、その瞬間、その場で変えることができること。みなさんも、これを読んでいる瞬間にすら、いい方向に変えることができる。

カブ

夕食は三浦産のカブと湘南産泥ネギ、しょうが、ヒエと昆布で玄米粥。三浦のカブは生食すると柿のように甘い。三浦の土は、本当にすごい。偉大。これをアチャールにすると野菜の甘みでスパイスが引き立つだろう。

こんないい野菜が食べれるなんて、幸せ。神奈川暮らし冥利に尽きる。

カブの菜っぱもいれた。菜っぱは実そのものより栄養が含まれている。

妹に習ったように、お粥はたくさんの水を入れて、30分煮込む。

食後、ショウガとシナモンで紅茶を淹れる。シナモンはパウダーではなく、皮で入れたほうが香りに気品がある。