湘南移住記 第149話 「もうしんどいわ」

水曜日。痛みはあったが、出勤。我慢していたが、昼過ぎから痛くなる。先週からシフトに穴を開けていたのもあるし、お金も作らなければいけない。同僚や管理の方から「帰ったほうがいいよ」と勧められたが、できるだけ働いた。

だが、この判断が良くなかった。

夜12時まで

午後3時くらいから痛みが耐えられない級にエスカレート。中途半端だが、退勤時刻の1時間前に早退させてもらった。「中山さん、だめだよ無理しちゃあ…」。と上司的な人に言われる。

もしかしてなのだが、この仕事が合ってなくて体が反応しているのかな?とも疑った。神奈川に移ってから体質が素直になって、夜勤の単発仕事をやった後もアレルギー反応が出た。

やってみなければ合うかどうかわからないが、合わなければ選んでもいいか。自分の軸は経営だ。体を壊してまで資金づくりをしてはいけない。

自分とやりたいことと天秤にかけても、大切な人がまた現れればそちらに行くが。幸せって、そういうものだということは思い知った。

今は自分の道を進む。

無理をした分の代償が味わう羽目になる。帰ってもずっと猛烈に痛みが走っていた。薬も効かない。一時的に痛みが和ぐので、風呂に5回も入った。

「また着替えたりして風呂に入らなければいけないのか…」と惨めな気分になってくる。

おまけに、胃の調子も悪い。この日のメニューはブロッコリーのスープにカリフラワーをのせたもの、玄米、糠漬け。

消化はいいはずだが、なんだか気持ち悪い。帰ってきて変な気分だったので、普段買わないコンビニのおにぎりを口にしたのが悪かったのか。

なにか痛みを和らげる方法はないか、と調べると、志室という、尿道結石のツボがあることを知る。肋骨の最下、背骨から指2本の場所。つまり腎臓の真裏だ。

ツボは自分で押すと痛みがないのでわかりづらいのだが、風呂に入りながら探り当てた。痛みが和ぐ気がして、抑え続けた。

なんとか寝付いたのだが、夜12時。5度目の風呂から上がると、窓ガラスが音を立てて揺れ始めた。

最初、変な人が来て窓ガラスを揺らしているのかと思ったが、地震だった。

地震よりも痛みをどうにかして欲しかったので、冷静に受け止めていた。ネットを見るとリアルタイムでは情報は出ていない。追っていくと、なぜかイスラエルが震源地で、その余波で日本まで来ているのだろうと勘違いした。翌朝、東北が震源地で、新幹線が脱線するほどの大きな地震だったことを知った。M6強。

岡山ではそんなことは起こらない。鎌倉住まいの人にやたら岡山はいいところですねえと言われたが、そう感じる理由がわかった。関東は災害が本当に多い。この8ヶ月でさえそう感じた。

陽気

木曜日。痛みは引いていたが、ぶり返す危険もあり、休ませてもらった。上司的な人にも同僚にも止められていたと思う。

半日以上、痛みを堪えていたので体が重い。痛みに耐えていたので、筋肉が強張って疲労していた。

志室が効いたのか、いつまにか痛みが和らいで寝入っていたし、今日は今のところ痛みはない。副作用がある薬より効くのではないか。

しんどいからだろう、体が肉を欲しがっていた。リビング横須賀の西友まで出かけて、国産鶏胸肉を買った。2枚で330円と安かった。

鶏胸肉をゆでて、ベビーリーフと梅酢と米油のドレッシング、ターメリックと和える。玄米ごはん。

梅酢は万能の調味料だ。

横須賀はすっかり春の装いで、うみかぜ公園に桜が咲いていた。病で気が滅入るのだが、暖かいと心が上向きになる。うみかぜ公園ではグランピングしている人たちが多くいた。

こどもたちが笑顔で遊んでいる。母親たちがベンチで話している。横須賀は街が明るく、歩いているだけでいい気分になった。