アンダー・コロナ

コロナの一日あたり新規感染者が9万人を超えた。イギリスでは15万人以上、アメリカでは100万人に達している。

ただ、オミクロン株の入院、死亡率は過去の感染ピーク時より低い数字で推移。

政府も東京都も緊急事態宣言を出すことに二の足を踏んでいる。病床の逼迫が条件、と岸田首相は述べていたが、どのタイミングで出すのだろうか。

新規感染者の数をどう捉えるのか。考え直すべき時だ。

苦渋

私もカフェを開こうにも、2月中に緊急事態宣言が出るかもしれない。準備は進めつつも、様子を見るしかない。

今回の場所は住宅地なので遅くまではやれない。つまり、補償金支給の対象外になる。それをあてにしているわけではないが、人が出歩かなくなると厳しい。

津山で鉄板BARをやっているりょうさんも、蔓延防止とともに休店。津山では人目を気にするから…という一文に全てが現れていた。

老舗の〈あけぼの旅館〉さんも休店。投稿に辛さが滲み出ていた。

明けない夜はないと申します。

今暫く耐えていきたいと思います。

と書いてあった。これを読んでくださっているみなさんの中にも、辛い状況の方はいるでしょうか。

新店ラッシュ

とはいえ、このコロナ禍の中でも新店も出来ている。空き店舗が多く、家賃も下がっているだろうから、店を出すチャンスではある。

3日前、逗子の〈Pool Side Coffee〉さんに行ったが、なかなかの客足だった。ご近所のお客さんらしき人も含めて、よく来ていた。

近所に珈琲屋を出した野口さんの〈No.13〉も開店1日2日の売上は上々だと聞いた。

東京で飲食をされている方に話を聞くと、東京はコロナに対する考えの変化が速いらしい。コロナ禍は状況の変化がとにかく速い。情報も入り乱れている。

東京は新店ラッシュ状態になり、カフェで溢れかえっている。対照的に津山は、閉店が多く、暗い雰囲気がさらに暗くなっていた。テイクアウト専門の惣菜屋さんや、アートギャラリー〈Port〉の近くに、廃園になった幼稚園を改装して、〈Sence TSUYAMA〉という施設ができている。

津山でもテイクアウト専門店ができたのは、動きが早い。時代にあった商売の仕方だ。

この一年で、仕事がなくなり、他の仕事をしているバーテンダーやソムリエの方にお会いした。今の状況が続けば、お酒に関する仕事自体がなくなるかもしれない。

そうでなくとも、緊急事態宣言で、家で飲む習慣がついてしまった人も多いようだ。お店はその地域のコミュニティでもある。人の縁が少なくなるのは、寂しいことだ。私の最寄りである京急県立大学駅の周辺も、蔓延防止でほとんどのお店が閉めている。そうなると、街も寂しい。海軍兵で賑わうドブ板通りも、蔓延防止が出る前から人通りは少なかった。

三浦はどうだったか。去年の9月、緊急事態宣言が出た時も、三崎には人が本当によく来ていた。油壺マリンパークの閉園も重なっていたが、街に人が溢れかえっていた。店が忙しく、初めて残業をしたくらいだった。

その時に感じたが、関東の人はもうあまりコロナを気にしていない。薄々気づいている、かかってもどういったことはないという意識がある。

逆に、津山のような田舎の方が封建的だ。コロナについて話し合う機会が少ないのだと思う。

どう変わるか

コロナそのものでなく、振り回されている私たち人間が問題だ。

コロナを機に、時代は変わった。去年が決定的だったと思う。問題解決が10年は縮まったこともある。

冷静に状況を分析し行動するか。一つ言えるのは、政府は頼りにならない。どれだけの飲食店経営者が我慢しているか。大切なことは、私たちがどう行動を変えるか。

もう、飲食店という業態自体が難しいのかもしれない。先月まで行っていた派遣先の会社で、副社長が「いいものを作れば売れるという時代は終わった。やり方そのものを変えなければいけない」という訓示を出されていた。妙に胸に残った。

いいものを出す、そうすれば人が来てくれる、売れる、という黄金律が崩れてしまった。やり方を新しく作る必要がある。何か手立てはあるはず。

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