2004年に放映されたアニメーション、『サムライチャンプルー』のサントラレコードの海賊版が横行している。OP曲を担当したラッパー、Shing02がツイート。
SAMURAI CHAMPLOO 3LPは何年もブートレグで出回っているようなのですが、出所は分かりますか?初回プレスこそFat Jonがライセンスしたらしいですが、アーティストには何も連絡がないまま世界中で販売されています。 https://t.co/tEQKUz9S70
— Shing02 (@Shing02) November 9, 2021
同アニメーションにはNujabes、Fat Jon、シャカゾンビのTSUTCHIEなど、錚々たるアーティストが参加。放映終了後もアメリカのローカルテレビ局で再放送され続けて、昨今のLo-Fi Hip Hopの動きの基盤にもなっている。
舟出
レコードの前に、CDでサントラがいくつか発売された。その中でNujabesとFat Jonの作品が多く収められた『Departure』という作品を買い、繰り返し聴いた。劇伴なので、あまり派手さはないが、静謐で、水墨画のようなビートだった。今も心に残っている。

Shing02が参加した『Battlecry』もよかった。フックのsome day / some nights / some live / some dieときて、samuraiと踏むのもshing02らしい、含蓄のある韻だった。このアナログにも、多くの名曲が収録されている。
アーティストに還元を
この3LP、私も持っていたが、売ってしまった。メルカリで1万円以上にはなった。Luv (Sic.)シリーズも持っていたが同時に売った。手元にあまりモノを持ちたくなくなって、手放していた頃だった。
その時に嫌だったのは、買った人が明らかに業者だったこと。どのレコード屋の人か知らないが、やりとりのやり方でわかった。私はこのレコードが本当に欲しい人に譲りたかったのだが。
世界的にレコードの人気が急激に高まっている。アメリカでは2020年のレコードの売上が前年に比べ9%上昇しているという。日本でもレコード工場の生産が追いつかず、納期が2、3ヶ月待ちになっているようだ。
シティポップや日本産アンビエントの流行も相まって、日本の中古レコードが海外に流出している状況もあるようだ。出せば出す分売れる。それがいいのか、悪いのか。
レコードを売る側も生活があろうが、作り手に敬意を払って、きちんと利益を還元するようにして欲しい。サブスク時代になり、アーティストの収益はさらに減ったし、コロナでライブも思うようにできない。
このツイートはディスクユニオンへのリプライだった。海賊版とは知らずに売っているのかもしれないが、レコード店にも責任はある。
この間、渋谷のタワレコに行ったらリー・ペリーの再発LPが5000円はした。そんなわけはないと思う。ブームにあやかって利益を最大化するのもどうかと思うし、レコードを愛する人たちに適正な価格で販売してほしい。