湘南移住記 第七十四話 「オリンピック」

盛夏。蝉の音もせわしくなった。オリンピックもやるか、やらないかの瀬戸際から、本当に始まってしまった。Twitterを見ていると、病床の逼迫が限度を越え、医療従事者からは悲鳴に似た声があがっている。

なぜここまでして政府はオリンピックをやりたがるのか。調べてみると、麻生太郎副総理の実家の会社がオリンピックのスポンサーを務めていたことがわかった。よく言われるように、お金の流れを感じてしまう。

私たち市井の人間と、やる側の政治家で意識がハッキリ別れすぎいる。噛み合わないのは当然で、ネット上だけでも、声は挙げなければいけない。

神奈川でも先週から県独自の緊急事態宣言が1ヶ月施行されている。アルコールは提供できない。飲食店もまた、悲鳴。コロナウィルスというよりも、政府の対応に店を潰されているのではないか。

津山でも、〈こばやし〉さんという、人気の和食店が閉店した。3年前、亡父と母の結婚の30周年の祝いで、食べに行った。もしかすると、家族全員揃っての食事はあそこだったかもしれないなあ。

〈こばやし〉さんの食事はとても丁寧で整っていて、まさに職人さんの仕事だった。女将とつばさくんとでランチを食べに行ったことがある。涼しげな絵のような、目にも舌にも嬉しい昼食だった。料金も1000円にしては豪華だったように思う。

津山でも、年内にかけて閉める飲食店もかなりあるそうだ。津山は小さな街なので、ひとつひとつの店の存在感が大きい。田舎だが意外に少ないコミュニティの大切な場となっている。スタバができてみんな浮足立っているようだけど、地元の個人店は応援して欲しい。

〈こばやし〉さんもそうだが、人生をかけて料理をして、実力も人気もあった人が、この未曾有の危機でやれなくなるのは、とても寂しいものがある。店を閉めてこの半年、いくつかの仕事をしていると、本業が動かなくて仕方なく働いている、という人に何人にも出会った。

やりたいことをみつけ、その道を進んでいたとしても、中断せざるを得ないのが今の現状に、どう対処していくか。生活は続けなければいけない。

自分は、かなりラッキーだと思う。まだ再挑戦の途上にあるからだ。私が店を閉めたのはコロナが原因ではないが、やれる余地があるだけ、ましだ。

だから次は半端はできない。努力してなかったわけではないのに出来なくなった人の分まで。

以下、箇条書き。

▲ 週末、ダブルワークの3連闘だったが、さすがにくたびれた。私は体が大きいく、頑丈に見られがちなのだが、そうでもない。心も繊細だ。自分と付き合いながら、お金を貯めていこう。

▲ 欧米向けの食事は、大腸などに悪影響を及ぼす。和食を覚えてみるのはどうか。

▲ また頂きものをした。ほんとに、こちらは優しい方ばかりです。ありがとうございます。タオルうれしい。

▲ 明日は初の家賃支払いと女将の誕生日。明日、女将の電話が止まるらしいので、今日メッセージを送っておいた。

▲ 働いていて、楽しく感じるのは生まれて初めてかもしれない。こちらに来てそれを感じられて、すごく良かった。

▲ 三崎口駅で、「ここが三崎口駅かあ、すっごい気持ちいいなあ!」と実感を口にしている人がいた。全く同意です。