湘南移住記 第五十一話 「棒棒鶏」

今の状況は、家賃保証の審査待ち。家賃保証の会社は、前回申し込んだ物件の時と同じだった。その会社以外に競合がいないということだろうか。

審査が通り、キャッシュカードが再発行でき、契約金(おそらく80,000円くらい)を支払えば移住ができる。早ければ6月にでも。入居予定日は6月24日にするつもりだ。理由は、なんとなく。その間に大阪と京都を回っておこう。西日本はなかなか来れなくなるだろうし。大阪のスパイスカレー屋は回って勉強しておく。一度完成させよう。

店を開けたら、思いの外、たくさんの方がきてくれた。新規のお客さんも多く、スパイスカレーを食べにきてくださる方がいる。口コミや、インスタの情報届いているのだろう。店をやっているうちに気づいたのだが、人の流れがある。今、店をゲリラ的に開店しても人は来てくれる流れだ。流れの束を掴んでおく。

昨晩、女将がスパイスカレーを作ってくれた。上手だった。次の店では、女将と私が別々につくって、あいがけする、なんてのもいいかもしれない。

緊急事態宣言で、商店街は暗澹たる有様だ。人がいない。店が空いていない。暗い。そんな中でも、女将にお金のことで気を遣わせているので、田町の〈奉天〉さんで中華を食ってきた。外食すること自体がだいぶひさしぶりだ。

棒棒鶏、酢豚丼、小籠包、ニンニクチャーハンを頼んだ。腹パンになる。一品多かった。棒棒鶏のタレが美味。酢っぽいドレッシング。神戸の駅前の中華屋で食べたよだれ鶏のタレがうまかった記憶がある。中華のタレってどうしてこう美味しいんだろう。スパイスカレーに応用できないだろうか。肉を別添えにして、タレを乗せるとか。副菜にもいいかもしれない。ワンプレートの中に、角度の違う刺激を調和させつつ入れれるかどうか。

女将に、ここ最近で一番いい顔してるよと言ってもらえた。ちょっとずつ、いい方向に行き始めてる。