湘南移住記 第十八話 「戦略」

 湘南の方が薦めてくれた物件が、以前uchicomiで問い合わせた物件だった。初期費用が猫の頭数分かかり、30万円ほどする。勤めている派遣が予定の日数に達せず(おそらく人員が予想以上に来ているため)、貯蓄額が3月時点で40万ちょいになりそうだ。かなり不足しているが、3月末までの短期の派遣が津山でも出てきているので、契約金だけ支払い、引っ越しを4月に行こうかと計画中。何しろ逗子の物件がすごくいい。家賃も高くないし部屋がおしゃれだ。女将も気に入っている。

あちらでの仕事も紹介してもらえそうで嬉しい。家を手に入れ、カフェを再び始めるまでの仕事を見つけるひつようがある。当面の生活のサイクルと融資の頭金もいるだろう。

やりたい仕事、ひとつはリモートワーク。せっかく東京圏にいるのでなにかプログラムを覚えてできないだろうか。

職種を選ばないとすると葉山のうみのホテルが面白そうだ。一度泊まりたかったホテルである。という理由。収入も大事なのだが、やりたいことが優先順位高い。クラフトのEC事業を立ち上げるのもいいか。

湘南での戦略

またカフェをやるとして、欲しいのは生身の情報。

コロナが明けたとしてどれくらいの人が往来しているのか。コーヒーやランチの単価は。地元より観光客が多いだろうが何が求められているのか。実際に生活してみて体感したい。ロンドンを拠点とする葉山のダークアーツコーヒーや西鎌倉の鎌倉倶楽部茶房など気になるカフェも見回っておきたい。

開店前にイベントなどの出店して、ファンと知名度も増やしておこう。出店は今まで何回かしたけど楽しいです。売れるし。

湘南の競合店はとにかく強力だ。が、私たちも珈琲の焙煎はまだ伸びしろあがある。コロナで店自体減ってるらしいものの、湘南で揉まれれば相当実力がつく。サッカーで言うと、Jリーグからラ・リーガに移籍するような心持ちだ。岡山から移住した、というオリジナリティを武器にしていく。実力をつけて地域に貢献できるようになりたい。湘南に限ったことではないだろうが飲食店の数は減っている。店のひとつひとつがその地域の魅力でもある。ウェブマガジンやフリーペーパーなど含め活性化に役立つことをしよう。湘南は津山と違って超メジャーだけど、知られてない何かもあるはず。実際に私も、湘南での生活に関して情報が少なくて困った。住む人の息づいた情報を発信したらいいんではなかろうか。津山でしたかったことだが、その想いを第二の故郷にぶつけよう。

なんだかわくわくしてきた。ありがたいことです。

移住費を貯める派遣の仕事に少々疲れて、雪の最中に溜息がでた。とも言ってらんねえな。自分が選択だし。まあ考え込まず。楽しんで!素直でシンプルに生きよう。