湘南移住記 第三話 「ペット相談」

移住計画のご報告。派遣の仕事が3月まで決まり、お金の算段ができたので目星をつけていた物件にかたっぱしから連絡。

今回は猫3匹と女将がいる。条件面としてはまずペット飼育可であるということと、2人暮らしなのでできれば2K以上の間取りが欲しい。何しろ5つの魂が住むのである程度のスペースが要る。この条件でも、家賃は4〜6万円の物件を見つけることができた。このへんは、日頃から湘南物件ウォッチを趣味にしていることが役に立った。が、大きな誤算がひとつ。問い合わせたところ、初期費用が20-30万円になってしまうことが発覚した。今までは1人暮らし用のワンルームの引っ越ししかないので、これは意外だった。15万前後くらいなものかとタカを括っていたが、間違いだった。ペット飼育となると敷金がプラス2-3ヶ月分になる。パワーワード「多頭飼い」がつきまとった。猫も2匹までオッケーとか、小型犬ならオッケーとか。結果として30万円になってしまう。時間をかけて準備ができればいいが、急なことなのでお金があまり用意できない。元々仕事が少ない津山で、コロナ禍でさらに減った状況で短期で高収入という仕事を見つけるのが難しかった。ありがたいことになんとか派遣会社さんに繋いで頂いて、仕事を頂けた。感謝です。

物件ウォッチャー奮闘

第一希望の鎌倉市は、湘南の中でも家賃相場が高い。これは三年に渡る物件ウォッチでリサーチ済。鎌倉の中でも、鎌倉山のほうにある山苗か、湘南モノレールのある西鎌倉方面が安いことはわかっていた。大船も安いが、空気が変わってしまう。山苗が一番良かった。空気が澄んでて、Nujabesのスタジオがあった由比ヶ浜も近い。ここで子供を育てたらいい子に育つだろう。しかしペット飼育可物件はかなり数が限られる。実際に引っ越すことになってみると資金面でクリアーしなければならない要件が次々でてきた。今までのウォッチ経験が霧散に広がりかけようとしていた。

打開策はジモティーだった。ジモティーの不動産紹介ページでは大家さんが直接募集しているパターンがあって、仲介手数料など初期費用を抑えることができる。このパターンは三浦や横須賀にも多く、いい物件がいくつか見つかった。逗子葉山は物件が少ないためか大家直パターンは0。葉山は全体で見ると鎌倉と同じか、ちょい安いくらい。葉山も好きだ。久世みたいなとこだが、おしゃれだ。Cabanが変わってしまったが。なぜか江ノ島より西は行きたくないので藤沢と茅ヶ崎は外した。ギリで片瀬江ノ島。しかしこの辺の家賃相場は高い。湘南沿岸にいたいので横須賀も外す。逗子はまあまあ安め。んで、さらに安いのが三浦だった。

三浦は5年前に新宿でライターをしている友達から「三浦と真鶴は東京を見捨てた人たちが集まってて面白いですよ」と教えてもらい気になっていた街だ。3年前はたしかマンションが最安100万円くらいまで落ち込んでて、買ったろかと思っていた。今は東京から離れる人が多いのかさすがに上がっている。東京まで一時間、品川まで電車一本らしい。めっちゃええやんけ。鎌倉も横浜も近いし。あと、なんか根を張れそうな予感がある。28歳の時に西荻窪が俺を呼んでいたが、その感覚に近いものがあった。あの時はビビっていかなかったが、今度こそ。

東京圏に行くのには、女将のこともあった。女将は20代の頃、ある芸能事務所のオーディションを受けて合格したものの、家庭の事情で上京できなかった過去を持つ。お互いに東京へのやり残した宿題をしなきゃいけん。30代で夢のリベンジだ。津山にいられない以上、どこへ行ってもいいわけだし。住み慣れた神戸も良かったが、慣れすぎてる。大好きな街で、2回デートにいって女将も気にいってて、神戸はどうかと提言までしてくれた。迷うところではあった。女将は神戸にあんまり合ってない気がする。女将が夙川の大学に受かったときも、「神戸は住むとこじゃね!遊びに行くとこ」とか言って行かんかったらしい。その直感は大事で、住むところも縁がある。俺は前世神戸にいたんちゃうか級にあるのでいいけど。女将が宝塚好きなので、宝塚、沿線沿いの川西市も候補に挙がった。湘南の物件を見てると、神戸を含め兵庫がかなり安く感じる。物件ウォッチャーとしてレヴェルは上がってるので、今の俺ならめちゃ安くて広いとこに住める。

尾道も良かった。が、やはり女将を都会に連れていきたいとところがあった。この1週間で突然「私はシャンソン歌手になる」と言い出してきかない。下井草にペット可で家賃は六万台のめちゃいい物件があったが、感染拡大で見送ることに。東京に店を持つし、住むであろう。オリンピックもなくなりこれから東京から人が離れていくから、憂愁の東京はぜひ見てみたいところだ。

ジモティーの募集のほうが現場感がある。1ヵ月家賃がオフになるフリーレントや、初期費用を負担しようとする大家さんが多いことから、コロナ禍で引っ越しが一時的に減っていることが読み取れた。そう、意外にも引っ越しには好機なのだ、今は。面白かったのは、DIY可な物件がいくつかあったこと、これは貸すにはボロボロで、家賃が安いけど住む人が直してねというもの。なぜか横須賀に多い。これなら住居兼店舗が安くでできるのではないか。さすがに湘南地域にはなかったが、今後こういった物件がでてくるかもしれない。店舗物件だとさすがに家賃が20万以上はかかってくる。もう一度、こちらでhatisスタイルで出来ないかな。

結局、ペット可で2人用物件、家賃5万前後まで条件を絞ると、広い湘南でも数件に的が絞れたのでやりやすかった。消去法だ。限られた物件の中で、どこが1番幸せになりそうかというソートで連絡している。初期費用がすごく少なくて済む物件を見つけたので、これから申し込むつもりです。

三浦市がお試し住みであるトライアルステイに取り組んでいて、1月11日〜から行く予定だったが、緊急事態宣言が出たので取りやめになった。一度行ってみって、実際の空気や、車がいるかとか生活の感じを聞いてみたかった。1人暮らしだとそんなことはしなかったが、これからはファミリーになるのでそこらへん慎重にはなってる。

湘南への移住ブログもたくさん読んでいるが、移住までの経緯を記した記事が多く、生活してからの記事が少ない。住むことになれば、生活に対しての記事を増やそうと思う。長年住んでいる人とか、移住している人へのインタビューとか。

心に残ったのは、葉山のとある不動屋さんがメールで心温まる対応をしてくれたこと。こんな見ず知らずのもんに優しい文面を書いていてくれるなんて、ますます湘南に惚れ込みました。スラムダンクも映画化するし、波が呼んでいます。

これから0からのスタートになります。まずはねこたちの安全な住居を確保しなければならない。長く根を張れて、自分たちが成長できて、住むだけで気持ちいい場所。を見つけようとと思います。