だんだん本屋がへっている。紋切り型の言い回しも言い慣れて2020年。電子書籍の普及や、活字離れが原因と言われています。しかし、街から本屋がなくなるのも寂しいというもの。私の実家の津山駅前にはブックセンターという大きな本屋さんがありました。津山では何店舗かあった、大きな書店です。
その頃はまんがにビニールカバーがしていなく立ち読みし放題でした。そこで幽遊白書やスーパーファミコンタダで読み耽ったものです。小学生ながら、なぜか資格の本など読んでいました。
先日、真庭市にあるブックセンター久世店に赴きました。中に入ると、ああ、あったあったこのかんじ。ブックセンターってこんなかんじだったなーと幼い頃の記憶がよみがえりました。
本のチョイスもなかなかよくて、店員さんの愛を感じる。ここでなら、本を買ってもいいし慣れ親しめそう。
やっぱり本屋って街に必要です。本好きになって、津山の本屋を覗くと、なかなか魅力を感じられなくなりました。いま魅力がある本屋ってどんな場所でしょう。
キュレーション、コンセプト
都会の本屋はどうか。南青山のブッククラブ回に行ってまいりました。閑静な住宅街の路地裏、地下に降りる階段にその本屋はありました。ブッククラブ、という標榜が会員制っぽくていい意味で怪しいかんじがあります。南青山の会員制っていいなあ。仮面舞踏会的なものをイメージできて、なんだかわくわくしますね。
この本屋はチョイスがスピリチュアル系に寄っています。お香なんかも売っている。魔女がやっている本屋。や、素晴らしいコンセプト。
こちらはいつもお世話になっている鳥取県倉吉市の汽水空港さん。この日は「ふれる社会学」の刊行トークイベントが行われていました。鳥取の夜、限られた店内に20人は集まり、立ち見が出ていたほど。
「カジュアルな差別」をキーワードに、ハーフや障害、性別など、現代の日本に蔓延る差別について話し合いました。
大人が集まり時間を割いて真剣に話し合うエネルギーも凄まじい。登壇した執筆者は大学で教鞭をとる方達でしたが参加者はもちろん一般の方ばかり。在日問題や障害に対して、学校の先生が熱く語る場面などありました。
この中で店主の森さんが「本は知恵の結晶。本屋はいわば賢者との出会いとの場」というようなことを表現されていました。登壇者も、本屋は救いの場にもなり得ると。
本屋が地域や人々のハブになる。日頃もんもんと溜まっていたこと言いたい。出版のあり方も変われば著者と読書の関係も変わる。それを取り持つ場として本屋があってもいい。
津山にはマチノキチという素晴らしい古本屋があります。サボテンやZineも取り扱かっている。
この三つのブックストアに言えるのは個性があるということ。それぞれの視点を本のキュレーションで表現していて、訪れる人に気づきをもたらそうとしています。