埼玉は熊谷市を拠点にするヒップホップグループ、舐達麻がアルバム「GODBREATH BUDDHACESS」を2019年8月31日にリリースしました。このアルバムが、とてもいい。舐達麻は去年からヒップホップに携わる人、特にビートメイカーの間ではよく名前が挙がっていて気になっていた存在。それがあれよあれよという間にシーンの最前線に躍り出ます。まずライブやイベントからですかね。MVの存在も大きかった。ひとつひとつ見ていきましょう。
Nujabesからの影響
こちらはオランダのアムステルダムで撮影された「Froatin`」。いい曲です。プロデュースはGreen Assasin Doller。日本のビートシーンでは知られた存在です。メロウでいいビートを作っている。数年前、友人がyotaroというビートメイカーと共に教えてくれました。いうまでもありませんがこのビートのネタはイタリアのアンビエントアーティスト・Gigi Masin / Cloud。Five Deez/ LattitudeのNujabes Remixにも使用されています。ビョーク使っていた。
ほかにも、グリーンアサシンダラーのビート曲では、ピアノをフィルター処理するなど、Nujabesに近いフィーリングを感じるものが多い。もちろん、ドラムの硬さはアサシンダラー氏とNujabesは違うので別物ですが。なんでこのリリックにこんなきれいなループ使うんじゃ!の曲の連発ですが、パンチラインをはめてくるのでうるっときちゃうんですよね。推測ですが、舐達麻にはNaiChopLowというプロデューサーがいるらしくて、音面でこの人がコントロールしているかもしれないですね。ニートTokyoのインタビューもありましたが、頭よさげな感じでした。
ともかく、このギャップが舐達磨の音源の魅力になっています。リリックは初期MSCを彷彿とさせるような。バールとか武富士とか、大麻ぐらいでガタガタ抜かすな男気溢れるリリックが取りざたされますが、私はどこか葛藤を抱えたように生きるリリックにぐっときていまいます。
残るクラシック
アルバムを聴いての感想ですが、このアルバム恐らく残ると思います。残るというのは、ずっと後の世代まで影響を与え続けるようなビッグアルバムです。ヒップホップ。これで今捕まっているラッパーが出所して、その人がすごかったら恐ろしいものがありますが…。
この曲、バダサイのヴァースも泣かされる。Delta 9 Kidの描写もすごくきれいだし…。なくなったメンバー,104への想いが伝わる。
道路地面1.0.4.の分の酒を垂らした
俺は今は飲まない やる事がある まだ生きてる内 真剣に文章綴り
聞かせてやる眠る石の下 響かせてこちらこの世で咲いてやる
四季流れ 時間は経って いつの夏だっけ何かしよう会って
お前一分も1人じゃなく 俺たちが好き勝手 かけがえのない物は自分1人じゃなく
共有する奴ら分け合って 声が小さくて聞こえねえ意見
傾ける耳考える意味続ける明日明後日