Anarchy 「The King」

京都を、いや日本を代表するラッパー、ANARCHY が新しいアルバム「The King」を発表しました。アナーキーといえば、ヒップホップが本当に好きなんだなと感じさせるアーティストです。前の曲ですが、アメリカのプロデューサー、スタティックセレクタを迎えた「Royality」では、日本のラッパー名を挙げていき、アツいことするなこの人と思わせてくれます。さいきん気になる田我流。

今回のアルバムでおもしろい組み合わせは、KandytownのIOとの一曲。アナーキーと対照的ともいえるふんわりフロウですが、リリックがとてもヒップホップ的で、共通するものがある。Young CocoやJin doggの並びにMacchoを入れる選び方は、本当にヒップホップを愛してるのだなと感じさせます。自身のレーベルに招聘したWILYWNKAを迎えた「Lucky 13」は感動する一曲。自身の母親が家庭から出て行ったこと、おばあちゃんの家で育ててもらったこと。当たり前だと思っていたことは、当たり前ではないこと。WILYWNKAの奥深くから絞り出すようなバースも突き刺さります。

このアルバムはサプスクリプションでも公開されていますが、フィジカルでは13000円で販売されています。音楽を聴くコストが現在ではほぼ0になっていること。ストリーミングサービスに、いくらでもいい音楽が溢れています。

おかねがなくても享受できる。それはいいことでしょう。しかし音楽をつくるのにもお金がかかります。いいもの作ろうとすればするほど。アナーキーの提案は、これからの物作りの在り方に警鐘を鳴らす形となりそうです。