アートのたのしみかた

Port Art & Design Tsuyamaが10月6日にオープンしてから、4カ月がたちました。津山の文化発信地として、すこしずつですが、認知して頂きつつあると実感できます。これまでもいくつかの展示があり、多くの作家さんと関わり合いを持たせてもらいました。当zineのスタッフもギャラリーの案内を担当し、その中で訪れる人とコミュニケーションをとり、気づいたことを書きます。もしあなたが、ギャラリーを訪れて、見方の

アートの見方がわからない

岡山県津山市という場所は、地理的に昔から交易の地として栄えてきました。他の街との距離があるとも言えます。神戸に10年住んで思うところは、アートや文化に関して根付いていないかな、というところです。街にはチェーン店があふれ、マクドナルドや丸亀製麺に行列が並ぶといった、恥ずべき市民性は否定できません。昔ながらのいいお店があるのに、なかなか入ろうとしない。まるで選択するのを恐れているかのようです。津山のいいところ、場所をhatis 24では発信しつづけます。

という背景もあり、津山市民も文化に触れ合う機会が限られています。写真や展示を見ても、わからないとおっしゃられる。好き嫌いはあっても、わからないとはどういうことなんだろう。お客さんに聞くと、作品に意味付けをしないと理解できないとおっしゃる。それは展示してくださった森下大輔さんによると、消費に慣れてしまってるからだそうです。モノがいか役に立つか、コスパがいいか。トクなのか。わたしたちは価値基準がそこに絞られています。ところが、アートは直接的に生活に役に立たない。その考えの中で、どう一緒にアートをたのしめるか。Portにせっかく足を運んで頂いてので、なにか持ち帰ってもらいたい。この記事を読んでもらっているあなたに、なにか伝えたいという思いにも似ています。

なにもかんがえなくていい

作家さんが口がおっしゃるのは、自由に感じ取っていいということ。作品に対して意図はあるが、必ずしもそれに則らなくていい。例えば作家さんが月と感じてつくったものを、太陽と受け取る人もいるでしょう。人によって感性はちがうから、自由に受けとっていい。大切なのは、なにか自分の中で受け止めたということです。それで人生が変わらなくても、うつくしいと思えることが尊い。鳥取のアートレジデンスで出会った画家の横内さんに、

おもしろいと思えることが増えれば増えるだけ、自分の可能性が広がる

と教わりました。

もしあなたがなにか作品をみるとき、それはあなたの可能性が広がるということです。成長とも言えるでしょう。もし津山にお越しの際は、Portにきて成長を楽しみましょう。