鎌倉Travelling ④ 鎌ゲスの夜

鎌倉ゲストハウス、a.k.a 鎌ゲス。この宿にしたから鎌倉の印象が良かったのだと思う。お客さん(ゲストさんと呼ばれる)の中には、ここに泊まりたいがためにわざわざ関西から来る人もいた。すっごいわかる。街の自然、空気感もそうだし、この宿に来る人のバイブスがすごくいい。このゲストハウスは最高だった。初日は疲れ果ててねむっていたが、散歩から戻って寝ているとずっとさわがしい。最初寝ていたのだが観念して中にはいってみる。ちょっぴり輪に入るのが恥ずかしかったのだけれど入ってみるとすでに酒盛りをしていた。初日は男性ドミトリー室は満席、女性もけっこう来ていて、15人はいただろうか。東京圏から来た人、名古屋の人、様々。僕の隣の布団にギターをかついだ白人がいて、ボヘミアンな感じだなと思っていたが聞いてみるとドイツ人の医者だった。人としてスペックがたけえ。このビジュアルで医者かよ、という。雰囲気や知性があって、ほんとのかっこよさを知った。

初日は人が多く、楽しかった。もう少しはやく起きて輪の中に入ればよかった。年齢も職業も住んでる街も言葉も違う。「たまたまその日そこに泊まった」という共通項しかない。音楽が好きなので、クラブやらライブハウスやらでたくさんの人と出会った。趣味趣向や性格の違いはあれど「音楽が好き」という平方根があるので、一夜過ごせばだいたい仲良くなれる。職場や仕事の出会いにしても経済活動を行うという大儀があるので、なんとなく同類の人が集まる。じゃないと戦えないし。ゲストハウスは、もっと大きなくくりで、かつなにかしらの縁がある。ここで出会って韓国まで行ったという人もいた。旅に出るにしろ、こういう場所に泊まるのとホテルに泊まるのとではその人のコミュニケーションの種類の多さに関わってくるだろうな、と思う。「分け隔てがない」を身につけるのはとても大事だ。自分はちょっと言葉と構える癖がついてしまっている。ヒップホップの人はほぼみんな礼儀ただしい。ここではむしろタメ口にガンガンいこうぜな距離感の取り方が必要だった。この日は消灯の12:00をすぎても話している人もいた。

日によってメンバーがちがう

当たり前だけど。二日目はメンバーの数も減って少人数だった。料理人の経験があるゲストさんの一人が料理をふるまってくれ、焼きそばを作ってくれた。僕も手伝う。自炊をするのだが、そばに油通しをする手間はさすが。勉強になる。

二日目は人数が少ないのもあってか、スタッフさんともよく話した。ここで働いてる人はやりたいことがあって目指している人が多かった。なので宿自体にパワーがあるのだろうな。ちょっと飲みすぎたきらいがあったが、この夜も自分の中でなんか残っている。20代からこういう旅をしてればと、今一瞬思ったが今だからこそできた旅なのだと思う。こういう夜をこれからも積み上げていければな。