鎌倉Trabel Log③ 見晴し台の景色

一人旅というのもはじめてだったので、恥ずかしながら宿の予約もとったことがない。なので初めて宿の予約をとってみた。ここ1年ほど鎌倉に行く妄想をしていたので、ネットで宿の情報はある程度得ていた。せっかくなのでゲストハウスに泊まることにする。なるべくお金がかからない宿を探していたのだが、ゲストハウスなら一泊3000円からである。安いもんだ。目についたのは鎌倉ゲストハウスというそのものズバリの名前の場所で、一泊3500円。こりゃいいいや。地図で場所を確認してみるとちょっと山側にあって、そこもいい。画像をみると囲炉裏もあっていい雰囲気だった。のでここにした。

ねむすぎて昼過ぎには宿へ

鎌倉にほぼ着き、ほぼ歩きで江ノ島まで行ったものの、ねむすぎて苦しくなってきたのでバスで鎌倉駅まで向かう。ゲストハウスのチェックインは14:00。現在も14:00。ところがiPhoneの電池が切れていたのでどこで降りていいかわからなかった。結局、江ノ島〜鎌倉駅間のバスだと「常盤台」という場所で降りればよかったのだが、わからなかったのでとりあえず鎌倉駅へ。鎌倉駅で案内所みたいなところで場所を聞いてみたら、手作りの地図みたいなのを渡してくれた。これはありがたい。さっき乗ったバスの「梶原台」とこで降りればいいらしい。さっきのバスに乗り直そうとしていると、小学生の送り迎えのバスが目の前に泊まった。大人の人が子供を見送っている。この子供の送迎というのをこの旅でよく見かけた気がする。ほかの街ではあまり見かけないので、鎌倉はステキな街なんだなと思う。

鎌倉ゲストハウス

バスで10分くらい行っただろうか。梶原台につく。15:00くらいだったかなここは北鎌倉駅からも離れてるし、鎌倉でも住宅街のほうだと思う。ダイエーとか薬局がある。たまにドープな店があっておもしろかった。もらった手作りの地図をたよりに宿に着く。小さな小川がの前にある宿。古民家を改修したらしく、昔からあるような作りだった。はじめてなので緊張した。先に二泊分の料金を払い、システムの説明を受ける。ドミトリーに泊まる。一応同じ泊まっている人にも挨拶して、ねる。替えのズボンを忘れていたのが失敗だった。縦長の十二畳くらいの部屋に布団が10コほど並べてある。好きなとこでいいですよと言われたので一番窓側の布団でねる。このときの午睡が一番気持ちよくて、幸せだったかもなあ。今この記事を書いているBGMでエリックサティを流しているが、ちょうどこの感じの気持ちよさ。ふいてくる風と、近所の子供たちが遊んでいる声が聞こえてきて、体の疲れをぬぐいとってくれるかのような。どうも物語の中にいる気がしてならない心地よさだった。いやほんと、生きててよかったなあという。

見晴し台からの景色、みのもんた

起きて17:00くらい。ほかのお客さんもたくさん来ていた。寝起きなのでゲストハウスのスタッフさんに近所においしい珈琲の店はないかと聞いてみると、ダイエーの裏にimagination coffeeさんというロースターを教えてもらいいってみる。その隣の麻婆豆腐の店がうまいですよとも教えてもらったが行かなかった。歩いて五分のとこに珈琲屋さんがあった。店内はせまく、少ない席に地元の常連客らしい女性が2人いた。

僕が店で珈琲を注文すると、2人の常連客のうち年配の女性が気を使ってくれたのか外の席に移動した。僕も中ではなく外で飲みたかったので、遠慮しがちに外のちょっと遠くの席に座る。鎌倉で外で珈琲をのむのはすごくよかった。風が気持ちいいからだろう。飲み終わって、中の常連客の若い女性の方に「ここらへんで地元の方がいきそうな風景のいい場所はないですか」と聞くとバス亭の見晴台からの景色がいいですよと教えてもらう。店のご主人とこの女性の会話もおもしろかったなあ。内容は覚えてないけど。

歩いて30分くらいかあ。もう夕暮れだった。途中、有名なそばやさんとかカフェとかあって、ついた。夕方に野球場で親子が野球の練習している光景とか、目に焼き付いた場面がいくつかあった。バス停の見晴台について、鎌倉を一望できる場所がどこか迷ったが、少し長めの階段を上ったとこにあった、たぶんここやなという場所を見つける。思ったよりよくはなかったが、海が高いところから見えた。途中、地元のマダムが2人きてみのもんたの家の場所を教えてもらった。鎌倉はどこがいいですかと聞かれたが大仏とか江ノ島とか行った場所とあんまり行きたくない場所を答えられた。たしかに神戸に住んでいたとき、神戸でどこにいったらいいすかと言われたら困るかもしれない。中華街とか異人館にいったところでそんなにおもしろくないし。要するに、住んだらよさがわかる街なのだ、神戸と鎌倉は。

マダムに大船駅に向かって北鎌倉駅からゲストハウスに向かったらと教えてもらったが、そういえばゲストハウスは北鎌倉駅から遠かったのでマダムの意に背いてバスで梶原台に戻った。途中のバス停で夕焼けを見上げる。夕焼けをボーッとみる時間なんてあっただろうか。子供の頃に感じていた感覚に戻っきたようだった。いや、戻ってた。ここ数年考え事ばかりで感じることができなかったが、こういう感覚がもどりつつあるのはありがたい。自分の中のどこかが修復されているのだと思う。ああ旅人らしいことをしているなあ。