アストラッドジルベルト ブラジルのディーヴァ

なぜボサノヴァに惹かれるのだろう。日本に住んでいて、地面を掘りすすめると、ちょうど地球の真裏にブラジルがある。湿度が高く、人間のコミュニケーションもウェットな部分がある日本とは対照的に思えるブラジル。日本ではサンバのカーニバルなど起こりえない。開放的。

ところがボサノヴァは当時の軍事政権のカウンターとして勃興した音楽だ。ナラレオンはブラジルにおられず、ヨーロッパに亡命までしている。抑圧がないわけではない。抑圧があるからこそあそこまで開放的なのか。卵か鶏が先かわかないけど。気候もあるんやろうけどね。

RhymestarのMummy-DがPOP LIFE手帳という連載をしているのその中で、ネットリテラシーについて話している回があった。

これこれ

マジョリティでおらずにはいられない

いまの若者はラインでハブられてたり、SNSで叩かれたりするから大変だなと話し合っている。今でいう炎上や不倫バッシングも小学生のいじめで、本質はマジョリティに加わらないと危険という思想が根底にある。子供は大人のマネをするからね。いじめやめろっつったってなくならない。だって大人がやってるんだから。

ネット時代だから、もっと個が際立ってもいいとも思う。互いの意見を尊重し合えば、違いも楽しめるはずだ。

これはアストラッドジルベルトがヴァーヴに残したコレクション。彼女の歌は絹のようにソフティーな肌触りで、音に包まれても心地がいい。スタンゲッツなどジャズ畑の人も参加していて、音の完成度もすこぶる高い。ブラジルの複雑なリズムにフルートやヴィヴラフォンがからむ様子など超絶気持ちいい。至高の音楽だなー。