めっきりテレビも観る機会が減った。本を読んだり、ネットをしたり、テレビ以外の娯楽の選択肢が多いのも要因だが、単純にテレビがつまらなくなった。よく言われていることだろうが、うまくまとまろうとしすぎていて、なにが起こるかわからないカオスさが減った。成熟にするにつれ魅力が薄まることもある。
なくなっていく
月400円を払ってAmazonプライムを始めた。ああ、これでTSUTAYAもなくなっていくんだろうな。音楽も、ストリーミングのおかげでCDもitunesもなくなる。突き詰めていくと、モノを所有することがなくなる。シェアの時代になる。そうなるとやっと共産主義な時代になるのかも。
お笑いはなくならない。なぜだろう。人が笑うことを欲すからか。ただ時代が病気すぎて、病んだような人が多い。ドキュメンタルの出場者でもクロちゃん、プラスマイナスの岩橋はかなり病気だ。周りも気づいてるけど別段とがめない。えらい時代だ。
ただ、やっぱりドキュメンタルはおもしろい。おもしろいっていうか感動してしまう。それは100万円を身銭で切るということもそうだし、ここに出る出場者はみな求道者だ。松本人志に認められたい、結果をだしたい、お金がほしい。思惑は各々あるだろうが。求道者が集って限定された空間でなにかをやる。シーズン2だか3に、フットボールアワーの後藤が敗者コメントで「この数時間後の風景が見たかったですけどね」と述べた。どのシーズンもラストはおもしろい。おもしろい人たちが追い込まれるとここまで違うのか。なんというか、おもしろさの厚さがテレビと全然ちがう。規制がないからちんこも余裕で出せれるかなのか、テレビがよほど窮屈なのか。単純に芸人がやりたいことやるとここまで引き出せるのか。シーズン2のラストは物凄かった。小峠とジャングルポケットの一騎打ちになるわけだが、もう狂っているとしか言いようがない。カオスが積み立てられて、おそらくお笑いのセオリーもくそもない。鬼気迫りすぎてお互い笑わない。
芸術にちかいのかも
その様をみていて大笑いするのだけでも、同時に泣けてくる。ジャングルポケットの松本人志に認められたい気持ちがすごく伝わってくるし、小峠も本気だ。収録後に放心状態になっていた。あれだけのエネルギーを使えばそうなるだろう。吐き出すだけ吐き出す。理屈もなにもない。
シーズン3は、冷静な狂気だった。狂気の劇というか。後藤とサンドイッチマン伊達がいたこと、TKO木下とロバート秋山が入り込み系のコントをしていたから。木下のおじいさんみたいなキャラが登場人物として立ちすぎていて、妙なインパクトがある。しかもメイクの跡が目の下に残っていて、存在感をずっと後押ししていた。ゾンビタイムの野性爆弾くっきー、秋山ケンコバの猛攻を耐えているとき、汗をかいていたのなんか….もう人生やん。奥深さが光るなあ。
もう少しするとシーズン5が始まる。これは楽しみです。出演者の恐怖におののくコメントが印象的でした。今回はどんな芸術になるのだろう。